帯状疱疹って?どうしてなるの?
帯状疱疹は、水疱性の皮疹や痛みを伴う感染症で、帯状に皮疹が現れることから名付けられています。
帯状疱疹はVaricella-Zosterウィルスによって引き起こされます。
このウィルスは主に以下のメカニズムによって発症します:
①初感染(水痘):帯状疱疹の根本原因はVaricella-Zosterウイルス感染です。
ウィルスが侵入し、始めて感染して皮膚表面に水疱性発疹を起こします。
⇩
②潜伏感染:水痘が治癒するとウィルスは体内に潜伏します。
免疫系は制御しますが、ウィルスは神経内に隠れ神経節に留まります。
⇩
③再活性化:ウィルスが潜伏している神経節が何らかの要因で刺激を受けると、
ウイルスは再活性化し感染した神経を経由して皮膚表面に再び到達。
すると帯状疱疹の症状が発症します。
帯状疱疹の症状は?
帯状疱疹は、感染が再活性化した神経の分布に沿って特定の部位に
水疱性の発疹、痛み、かゆみ、灼熱感などの症状を引き起こします。
通常、帯状疱疹の皮疹は1本の帯状のパターンを持ち、特に背中や胸部、腹部、顔などで発生することが多いです。
帯状疱疹の再活性化の要因は?
・年齢
・免疫機能の低下
・ストレス
他の疾患の存在などさまざまな要因に影響を受けることがあります。
帯状疱疹後神経痛はなんで起こるの?
帯状疱疹後神経痛(PHN)は、帯状疱疹の感染が治癒した後に続発する合併症で、神経痛が継続する症状です。
PHNは帯状疱疹の感染が治癒した後に続発するため、通常は感染症状が消えた後に痛みが発生します。
痛みは持続的で、場合によっては慢性的になることがあります。
☆特に高齢者や免疫機能が低下している人々に起こり易いです。
帯状疱疹後神経痛の発生メカニズムは?
【神経損傷】
帯状疱疹は神経に感染する疾患であり、感染が起こる神経に炎症と損傷を引き起こします。
ウイルスが神経内に再活性化する際、神経組織にさらなるダメージを与えることがあります。
この神経の損傷がPHNの主要な原因とされています。
【神経の過剰興奮】
帯状疱疹の感染が解消されても、感染が起こった神経が過剰に興奮し続けることがあります。
この過剰な神経活動が神経痛の症状を引き起こす一因とされています。
【神経痛の化学的変化】
帯状疱疹の感染や神経損傷により、神経組織内で炎症性物質や神経伝達物質のバランスが変化することがあります。
これにより、神経の興奮が増加し痛みが生じます。
【免疫応答】
帯状疱疹に感染した際、免疫系はウイルスを制御しようと戦います。
免疫系の活動によっても炎症が増加し、神経損傷が進行することがあります。
帯状疱疹後神経痛の治療は?
神経痛の症状の軽減と管理を目指す治療法として。
薬物療法、神経ブロック、物理療法、鍼灸療法などが使用されます。
早期の治療は重要であり、PHNの症状を軽減し、生活の質を改善するのに役立ちます。
帯状疱疹後神経痛の東洋医学的な捉え方
【気と血の不調和】
東洋医学では、痛みや不調が気と血の流れの不均衡に起因すると考えられています。
帯状疱疹の感染や神経損傷は、気と血の流れに影響を及ぼし、神経組織に栄養や酸素が不足することがあります。
この不均衡がPHNの痛みを引き起こす要因とされます。
【経絡の阻害】
東洋医学では、体内のエネルギーは経絡を通じて流れると考えられています。
帯状疱疹やPHNの症状は、特定の経絡にエネルギーの滞りや阻害が生じている可能性があると捉えられます。
鍼灸療法や指圧などの手法は、経絡の流れを改善し、エネルギーの調和を図るのに役立ちます。
【湿熱の影響】
湿熱は東洋医学で使用される用語で、体内に熱や湿気が異常に蓄積することを指します。
湿熱の不調和は炎症や痛みを引き起こすことがあり、PHNの症状に関連する可能性があります。
清熱といって湿熱を除く治療が効果的となります。
【免疫力の役割】
東洋医学では、免疫力は気や血の一部として捉えられ、PHNの症状に影響を与えるとされます。
免疫力の低下や免疫系の不調和が、PHNの再活性化や痛みの持続に関係することがあります。
帯状疱疹後神経痛に対する当院の鍼灸治療
【ツボの選定】
PHNの痛みが最も強い部位や神経が影響を受けている部分に鍼を刺すための適切なツボを選定します。
一般的には、太陽三焦経や膀胱経などが関連するツボが使用されます。
【鍼刺激の調整】
鍼刺激の強度や深さは、患者の感じや忍耐力に合わせて調整されます。神経過敏となっている場合もあり、痛みと刺激による反応を観察しながら治療を進めます。
痛みを最小限に抑えながら効果的な治療を提供します。
【神経の調整】
神経組織に対して正常なエネルギーフローを回復させることを目指します。
神経の回復を促進し、神経痛の症状を軽減するのに役立ちます。
【経絡の調整】
東洋医学では、体内のエネルギーが経絡を通じて流れると考えられています。
鍼灸療法は、経絡の流れを調整し、気と血の循環を改善するのに役立ちます。
【治療の継続性】
PHNの治療には時間がかかることがあります。
通常、定期的な鍼灸セッションが必要で、数週間または数か月にわたって治療を受けることが勧められます。
治療の継続性は、症状の軽減や持続的な改善に寄与します。
【症状のモニタリング】
鍼灸治療を受けながら、症状の変化をモニタリングすることが重要です。
治療計画を調整し、最適な結果を得るために観察していきます。