後鼻漏とは
後鼻漏(こうびろう)は、鼻の奥や副鼻腔からの鼻水が喉に流れる症状を指す言葉です。
正常な場合、鼻からの鼻水は前方に流れて外に排出されますが、後鼻漏では鼻水が鼻の奥や副鼻腔にたまり、喉を通って後ろに流れることがあります。
原因
後鼻漏の主な原因は以下のような要素が挙げられます。
鼻や副鼻腔の炎症:鼻腔や副鼻腔の炎症や感染が後鼻漏の原因となることがあります。鼻炎や副鼻腔炎、鼻ポリープ、コロナの後遺症などが関与する場合があります。
アレルギー:アレルギー性鼻炎やアレルギー性副鼻腔炎による炎症や鼻水が後鼻漏を引き起こすことがあります。
鼻の解剖学的異常:鼻の奥や副鼻腔の形態的な異常やポリープ、鼻中隔の歪みなどが後鼻漏を引き起こすことがあります。
症状
後鼻漏(こうびろう)の主な症状には以下のようなものがあります。
喉からの鼻水:鼻からの鼻水ではなく、喉から鼻水が感じられます。これは鼻の奥や副鼻腔からの鼻水が喉に流れるためです。
喉の痰の感覚:常に喉に詰まった痰のような感覚を感じることがあります。
咳や喉の痛み:後鼻漏により喉が刺激されることで、咳や喉の痛みが生じる場合があります。
くしゃみや鼻づまり:鼻の奥や副鼻腔の鼻水が正常な排出経路から外れるため、くしゃみや鼻づまりの症状が現れることがあります。
これらの症状は個人によって異なる場合があり、症状の程度も患者様によって異なることがあります。また、後鼻漏の症状は他の鼻や喉の疾患と似ている場合があります。
後鼻漏と鍼灸
後鼻漏に対する鍼灸の効果については、科学的な証拠が限られており、明確な結論は得られていません。ただし、鍼灸は個別の症状や状態に応じて緩和の可能性があるとされています。
鍼灸による後鼻漏の施術では、以下のようなアプローチが取られることがあります。
鼻と副鼻腔の調整:鍼灸師は、鼻や副鼻腔のエネルギーバランスを整えるために、特定の経穴(ツボ)に鍼を刺したり、刺激を加えることがあります。
免疫調整:後鼻漏の原因がアレルギーに関連している場合、鍼灸は免疫系の調整を行うために用いられることがあります。
ストレス緩和:ストレスは後鼻漏の症状を悪化させる要因となることがあります。鍼灸はストレスの緩和や自律神経の調整に役立つ可能性があります。
ただし、個人の状態や症状に応じて適切な鍼灸治療法が異なる場合があります。また、鍼灸治療は症状の緩和や体の調整を目指すものであり、根本的な原因の解決には至らない場合があります。
当院の後鼻漏に対する鍼灸施術
後鼻漏における効果のある経穴(ツボ)としては、以下の経穴が一部挙げられますが、鍼灸治療においては個人の状態や症状に合わせて選定されるため、具体的な経穴の選択や刺激方法は鍼灸師によって異なる場合があります。
天府(てんぷ):胸骨の下端のくぼみに位置するツボで、鼻や喉の症状を緩和する効果があるとされます。
四白(しはく):手首の手の甲側に位置するツボで、鼻づまりや鼻水を改善する効果があるとされます。
迎香(げいこう):鼻の両側のくぼみに位置するツボで、鼻づまりや鼻水を緩和する効果があるとされます。
これらの経穴は一般的な指示であり、個人の状態や症状に応じて適切な経穴が異なる場合があります。鍼灸師は症状の評価や診断を行った上で、適切な経穴を選定し、適切な刺激法(鍼刺激、灸刺激、指圧など)を行います。