顎関節症って?
顎関節症は、顎関節や周囲の筋肉、組織に関連する痛みや不快感、機能障害を指す一連の状態です。
この症状は、顎の動きや咀嚼問題が起きることがあります。
顎関節とは…
下顎骨(顎の動く部分)と頭蓋骨の側面にある顎関節窩という窪みとの間で形成されています。
ここには関節軟骨や関節包、筋肉、靭帯が関与しており、顎の動きや咀嚼を支えています。
顎関節は非常に複雑な構造であり、正常な機能のためにはこれらの要素が正確に協調して動作する必要があります。
顎関節症の原因
顎関節症の原因は…
顎関節の損傷、炎症、筋肉の問題、歯の噛み合わせの異常など様々です。
顎関節症の症状
【疼痛】
顎関節症患者は、顎の関節や周囲の筋肉に痛みを感じることがあります。
この疼痛は、顎を動かす際や噛む動作、あくびるなどの際に特に顕著になることがあります。
【開口障害】
顎の関節や筋肉の問題により、口を大きく開けることが難しくなることがあります。
【音】
クリック音やポップ音などの異常な音が顎の関節から発生することがあります。
これは顎の関節部分での異常な動きに起因することがあります。
【顎の違和感】
顎の関節や筋肉に違和感や緊張感を感じることがあります。
顎関節症の対症療法
症状の緩和や日常生活の質の向上を目指すための方法です。
ただし、個々の症状や原因に応じて適切なアプローチが異なるため、歯科医や医療専門家に相談して適切な治療方法を選ぶことが重要です。
また、対症療法だけでなく、根本的な原因にアプローチする治療方法も検討されることもあります。
【疼痛管理】
疼痛を和らげるために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの薬物が処方されることがあります。
これにより、関節や筋肉の炎症が軽減され、痛みが軽くなる可能性があります。
【温熱療法と冷却療法】
炎症や筋肉の緊張を和らげるために、温熱パッドや氷パックを使用することがあります。
温熱療法は筋肉を緩め、冷却療法は炎症を軽減するのに役立ちます。
【食事の注意】
噛む動作が痛みを引き起こす場合、柔らかい食品や液体の摂取を検討することがあります。
硬い食品を避けることで、顎関節への負担を軽減できます。
【ストレス管理】
ストレスは顎の緊張や歯ぎしりを引き起こす可能性があるため、ストレス管理技術(深呼吸、瞑想、ストレッチなど)を取り入れることが効果的です。
【筋肉のトレーニングとストレッチ】
特定の筋肉を強化するトレーニングや筋肉のストレッチを行うことで、顎関節の安定性や運動範囲を改善することができます。
【マウスガード】
歯ぎしりや歯への噛み合わせの問題が原因の場合、マウスガード(ナイトガード)を使用して歯を保護することができます。
【物理療法】
歯科医や理学療法士による、マッサージやエクササイズを含む物理療法が行われることがあります。
【咬合調整】
歯の噛み合わせの異常が原因の場合、歯科医は噛み合わせを調整するための処置を行うことがあります。
顎関節症の東洋医学的な診方
東洋医学的アプローチでは、体内のエネルギーのバランスを整えることが治療の目標とされます。
【気の滞り】
東洋医学では、気の流れが滞ることが病気の原因とされます。
顎関節症では、気の滞りが顎の筋肉や関節に影響を及ぼし、疼痛や違和感を引き起こす事が考えられます。
【血の滞り】
血の流れが滞ることも病気の原因とされます。
顎関節症の場合、血の滞りが炎症を引き起こし、痛みや腫れをもたらすことがあります。
【気血の不足】
体内の気や血の不足も症状の原因とされることがあります。
気血不足によって筋肉や組織の機能が低下し、顎関節症の症状が現れることがあります。
【肝の不調】
東洋医学では、肝は感情やストレスと関連する臓器とされます。
ストレスや感情の不調和が肝のエネルギーを乱し、顎の緊張や痛みを引き起こすことがあります。
【咬筋の緊張】
顎関節症は咬筋の緊張が関与していることが多いですが、東洋医学的には咬筋の緊張は気や血のバランスの乱れによるものとされることがあります。
顎関節症の当院での鍼灸治療
【経絡調整】
東洋医学の経絡(気の通り道)に関連するツボを刺激することで、エネルギーの流れを調整し、顎関節症の症状を改善することを目指します。
痛みの調整として手にあるツボも使用したりします。
【全身調整】
体内のエネルギーのバランスを整えるために行います。
全身のエネルギーの流れを調整することで、自律神経調節にも作用して顎関節症の症状の改善を促します。
これは、心因性の顎関節症があるように精神的なストレス、自律神経の乱れによっても、特に交感神経が優位が続いてしまうと交感神経は筋や血管を収縮される作用があるため筋肉のコリや発痛物質が留まってしまうことによって痛みの原因となってしまうのです。
また、過度にストレスが溜まる状態だと喰いしばりとなって顎関節症の原因になります。
当院では自律神経測定器で自律神経を測定し治療に活かしていくことで顎関節症の治療に効果が期待できます。
【局所鍼治療】
顎関節周辺や顔面に特定の鍼灸ポイントを刺激して、筋肉の緊張を和らげたり、血流を改善したりする方法です。顎関節症の痛みや違和感がある箇所に重点を置いて治療します。
【セルフケア指導】
鍼灸師から、自宅で行えるセルフケアのアドバイスをすることがあります。
ストレッチや呼吸法、運動などを通じて、治療効果をサポートすることができます。
5治療方法の選択や進行は、鍼灸師との連携を通じて行うべきです。効果の程度や持続性には個人差がありますが、鍼灸治療が顎関節症の症状を軽減する助けになる可能性はあります。治療の際には、継続的なセッションや適切なセルフケアが重要です。