鼻炎って体のどんな状態?
鼻炎は、鼻の粘膜が炎症を起こす状態です。
具体的には、鼻の粘膜の血管が腫れたり拡張したりして、通常よりも多くの血液が流れる状態が続くため、鼻の内部が赤く腫れている状態と言えます。
この炎症によって、鼻の様々な症状が引き起こされます。
【鼻腔の腫れ】
鼻腔内部の粘膜が腫れるため、鼻腔の通り道が狭くなります。
これによって鼻づまりが生じ、鼻呼吸が難しくなることがあります。
【血管の拡張】
鼻の内部の血管が拡張するため、鼻の粘膜が充血し、赤くなっている状態がみられます。
【分泌物の増加】
炎症によって鼻の粘膜から過剰な分泌物が生じるため、鼻水が出たり、粘液が増加することがあります。
【刺激と過敏性】
鼻粘膜が刺激を受けやすくなるため、くしゃみや鼻かゆみなどの症状が現れることがあります。
【後鼻漏】
鼻の粘膜からの分泌物や粘液が喉に流れ込むため、喉に違和感や異物感が生じることがあります。
【嗅覚の変化】
鼻の炎症によって嗅覚が低下することがあります。
☆これらの状態に伴って…
鼻水。鼻詰まり。くしゃみ。喉の違和感。後鼻漏。頭痛。睡眠障害。
などの症状が現れることが多いです。
鼻炎の種類と治療・対策
【アレルギー性鼻炎(花粉症)】
花粉症としても知られるアレルギー性鼻炎は、季節的な花粉やハウスダストなどのアレルゲンに対する過敏反応が原因です。
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、かゆみなどが特徴的な症状です。
治療・対策)アレルギー対策、抗ヒスタミン薬、ステロイド鼻薬などが使用されます。
【感染性鼻炎(風邪など)】
ウイルスや細菌による感染が原因で起こる鼻炎です。
風邪やインフルエンザなどの症状の一部として鼻づまり、鼻水、くしゃみなどが見られます。
治療・対策)休息と適切な水分摂取、対症療法、抗生物質(細菌感染の場合)などが検討されます。
【非アレルギー性鼻炎】
アレルギー以外の要因によって引き起こされる鼻炎です。環境的な刺激や空気の乾燥、化学物質などが原因となることがあります。
治療・対策)環境の改善、保湿、対症療法など
【慢性鼻炎】
長期間にわたって続く鼻炎で、症状が週に4日以上3か月以上続く場合に該当します。
アレルギー性や非アレルギー性の要因によって引き起こされることがあります。
治療・対策)対症療法や根本的な原因の治療が行われます。
東洋医学的に診る鼻炎
東洋医学の視点から診た鼻炎は、体内のエネルギーバランスや経絡(経絡は体内を巡るエネルギーの流れを指す)の異常が関連しています。
これらの要因が複合的に影響し、鼻炎が生じるとされています。
東洋医学のアプローチでは、体内のエネルギーのバランスを整え、経絡の流れを調整することで鼻炎の症状を改善させます。
【邪・寒邪の侵入】
東洋医学では、「風邪」や「寒邪」などの外部からの邪気が体内に侵入することで症状が発生すると考えられています。
鼻炎は風邪や寒邪の影響によって鼻の粘膜が傷つき、炎症が起こる状態とされます。
【気の滞り】
東洋医学では、「気」と呼ばれる体内のエネルギーの流れが滞ることで症状が生じます。
鼻炎が気の滞りによって引き起こされると、鼻腔や周辺組織のエネルギーの流れが乱れ、炎症が起こります。
【湿邪の影響】
東洋医学では、「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれる湿った邪気が体内に侵入することで、不調や病気が引き起こされます。
鼻炎の病態が湿邪の影響によるものであると考えられ、湿邪が鼻の粘膜に影響を及ぼし、炎症や鼻づまりが生じます。
【肺の機能低下】
東洋医学では、肺は気の運行や水分の代謝と関連しています。
肺の機能が低下することで鼻炎の症状が引き起こされます。
鼻炎にする当院の鍼灸治療
【気の調整】
鍼灸は体内のエネルギーである「気」や「血」の流れを調整する効果があります。
鼻炎の病態が気の滞りや不調和によるものである場合、鍼灸によって気の調整が行われ、鼻腔の炎症や鼻づまりの改善が期待されます。
【経絡の調整】
東洋医学では、経絡(エネルギーの経路)の流れが体内を巡り、臓器や組織に影響を与えます。
鍼灸によって鼻炎に関連する経絡を調整することで、エネルギーのバランスが整い、症状が緩和されます。
【湿邪の排除】
鍼灸は湿邪(湿気)を体外に排出する効果があります。
湿邪が鼻炎の原因の場合、湿邪を排除することで炎症や鼻水の症状が改善されます。
【肺気の調整】
東洋医学では、肺は気の運行や水分の代謝に関与しています。
鼻炎が肺気の不調によるものであれば、鍼灸によって肺気の調整をすると症状の緩和が期待できます。