後鼻漏ってどういう状態?
後鼻漏(こうびろう)は、鼻腔の奥や鼻の後部から分泌物や粘液が喉に流れてくる状態です。
これは鼻腔で過剰に分泌された粘液が鼻の奥でうまく排出されず、喉に流れ込むことによって引き起こされます。
後鼻漏は鼻水の一形態とも言えますが、特に鼻の奥に影響が出ることが特徴です。
後鼻漏の症状って?
〈喉の違和感〉
鼻の後部から流れ込んだ分泌物や粘液が喉に達することで、喉に異物感や違和感を感じることがあります。
〈くしゃみや咳〉
鼻の奥にたまった分泌物や粘液が喉に流れることで、くしゃみや咳を引き起こすことがあります。
〈声のかすれ〉
喉に流れる分泌物が声帯に影響を与え、声がかすれることがあるかもしれません。
〈喉の炎症〉
分泌物や粘液が喉に長時間滞留することで、喉の粘膜が炎症を起こすことがあります。
後鼻漏が引き起こされる要因
一般的な要因としては、アレルギーや鼻の炎症、鼻腔の解剖的な特徴の影響、副鼻腔の問題などが考えられます。
また、感染症や喫煙、乾燥した環境なども後鼻漏を悪化させることがあります。
後鼻漏が長期間続く場合や日常生活に支障をきたす場合は、耳鼻咽喉科の医師に相談することをおすすめします。
後鼻漏の治療・対策
〈アレルギー対策〉
アレルギーによる鼻の炎症が後鼻漏の原因である場合は、アレルギー原を特定し、アレルゲンを避けることが重要です。
また、抗アレルギー薬やアレルギー療法を行うこともあります。
〈鼻の洗浄〉
塩水や生理食塩水を使った鼻洗浄を行うことで、鼻腔内の分泌物や粘液を清掃して後鼻漏の緩和に働きます。
〈鼻薬〉
鼻腔の炎症を抑えるためのステロイド鼻薬が処方されることがあります。
これによって鼻腔内の炎症を軽減し、後鼻漏の症状を改善することが期待されます。
〈副鼻腔の処置〉
副鼻腔に問題がある場合、副鼻腔の炎症や感染症を治療することが後鼻漏の改善につながることもあります。
〈手術〉
重度の場合や他の治療法が効果的でない場合、手術が検討されることがあります。
〈生活習慣の改善〉
鼻腔を清潔に保つための適切な水分摂取や喉の保湿、喫煙を避けることも後鼻漏の改善に役立つかもしれません。
後鼻漏の東洋医学的な診方
以下の様な要因が複合的に影響し、後鼻漏が生じるとされています。
東洋医学のアプローチでは、体内のエネルギーのバランスを整えることで後鼻漏の症状を改善しようとします。
気の滞り
東洋医学では、体内のエネルギーである「気(き)」が滞ることで症状が発生するとされています。
後鼻漏が気の滞りによって引き起こされることがあります。
気の滞りによって鼻腔や喉のエネルギーの流れが乱れ、分泌物や粘液が流れにくくなると考えられます。
湿邪の侵入
東洋医学では、「湿邪(しつじゃ)」と呼ばれる湿った気が体内に侵入し、不調を引き起こすとされています。
後鼻漏の症状が湿邪の侵入によるものであると考えられます。
湿邪が鼻腔や喉に滞留し、分泌物や粘液が増加します。
脾胃の不調
東洋医学では脾胃(消化器官)の健康が全身のバランスに影響を与えるとされています。
脾胃の機能が低下することで、体内の水分代謝や粘液の調節が乱れ、後鼻漏の症状が出現する可能性があります。
肺気の不足
肺は気の運行や水分の代謝と関連しています。
肺気の不足によって鼻腔や喉のエネルギーの調節が乱れ、後鼻漏の症状が出現することがあります。
後鼻漏に効く当院の鍼灸治療
後鼻漏に対する鍼灸治療は、東洋医学のアプローチを通じて体内のエネルギーの流れやバランスを調整し、症状の緩和を目指します。
自律神経の調整
鍼灸は体内のエネルギーである「気(き)」や「血(けつ)」の流れを調整する効果があります。
後鼻漏の症状が気の滞りや血液の不調和によるものである場合、鍼灸によってエネルギーの調整が行われ、症状の改善が期待されます。
経絡の調整
東洋医学では、経絡(エネルギーの経路)が体内を巡り、各臓器や組織に影響を与えるとされています。
後鼻漏の症状に関連する経絡を調整することで、エネルギーのバランスを整え、症状の緩和が期待されます。
湿邪の排除
鍼灸は湿邪(湿気)を体外に排出する効果があるとされています。
湿邪が後鼻漏の原因とされる場合、湿邪を排除することで症状が改善される可能性があります。
脾胃の調整
東洋医学では脾胃(消化器官)が水分代謝に関与しているとされています。
脾胃の機能を調整することで、水分の代謝が改善され、後鼻漏の症状が緩和される可能性が考えられます。