ドライアイってなんでなるの?
ドライアイは、涙液の量や品質が不足することによって引き起こされる状態です。
目の表面が適切に潤滑されず、さまざまな不快症状を引き起こします。
ドライアイの原因
〈涙液の不足〉
涙液が不足することによって、目の表面が適切に潤滑されず、乾燥感や不快感が生じます。
涙液の不足は、涙腺の機能低下や涙液の成分のバランスの変化によります。
〈涙液の品質の低下〉
涙液の質低下によって、涙液が目の表面に適切に広がらず、乾燥感や異物感を引き起こすことがあります。
涙液の質低下は、脂質成分の減少などが影響することがあります。
〈環境要因〉
乾燥した環境、強風、空調の効いた室内などがドライアイを悪化させることがあります。
これらの環境要因によって涙液が蒸発しやすくなります。
〈年齢〉
年齢が上がると、涙腺の機能が低下するのでドライアイのリスクが上がります。
〈デジタルデバイスの使用〉
長時間のデジタルデバイスの使用によって、まばたきの回数が減少し、涙液の均一な分布が阻害されることがあります。
〈特定の薬物や疾患〉
一部の薬物や特定の疾患(自己免疫疾患など)がドライアイの原因となることがあります。
涙の素は一部血液!?
涙の原料は、涙腺から分泌される涙腺分泌物と、血液中から供給される成分です。
なので、涙の主な成分は涙腺分泌物ですが、血液中の一部の成分も涙に含まれています。
血液から供給される成分の役割
涙液は目の表面を保護し、潤滑させるための重要な体液です。
血液から供給される成分は涙液が目の健康を維持するための要素として機能しています。
血液と涙腺の協調した働きによって、涙液が目を保護し、潤滑させる効果があります。
【酸素と栄養素の供給】
血液中の酸素や栄養素は涙腺に供給され、涙腺の正常な機能を維持するために重要です。
涙腺は酸素や栄養素を必要とし、これによって適切な涙液の生成と分泌が可能になります。
【血管経由での成分の輸送】
血液中の成分は血管を通じて涙腺に供給され、これによって涙腺内での涙液の成分の生成や調整が行われます。
特に水分や塩分、ビタミンなどが血液から涙液に供給される過程が重要です。
【免疫因子の供給】
血液中には免疫系の成分が含まれており、これが涙液に供給されて目の表面を保護し、感染を予防する役割を果たします。
ドライアイの症状
乾燥感、異物感、痛み、かすみ、赤み、視力の一時的な変化 などがあります。
軽度であれば、人工涙液の使用や湿潤環境の確保、まばたきの頻度の増加などの対策が効果的です。
ドライアイの東洋医学的な診方
気の滞りと血の虚弱
東洋医学では、健康は「気」と「血」というエネルギーと物質の流れが調和している状態とされています。
ドライアイの場合、目の周りの経絡の流れが滞ることによって、涙液の生成や分布に影響を及ぼすことが考えられます。
また、血液の虚弱や不足も目の乾燥や不快感に関与するとされます。
肝と目の関連
東洋医学では、肝は目と関連が深い臓器とされています。
肝のエネルギーの滞りや不調が目の健康に影響を及ぼすと考えられており、ストレスや怒り、情緒の不調などが肝のバランスを崩す要因とされます。
このような状態がドライアイを引き起こすことがあります。
脾と胃の弱化
東洋医学では、脾と胃は消化や栄養の生成に関与しており、涙液の生成にも影響を与えるとされています。
脾と胃の機能低下や不調がドライアイの原因となることがあります。
陰陽のバランスの乱れ
東洋医学では、体内のエネルギーのバランスを陰陽の概念で考えます。
ドライアイの場合、体内の「陰」(冷やす要素)と「陽」(温める要素)のバランスが崩れて、目の乾燥や不快感が生じることがあります。
経絡の影響
東洋医学では、経絡と呼ばれるエネルギーの流れが体内を巡り、臓器や組織に影響を及ぼすとされます。
経絡の滞りや不調がドライアイを引き起こすことがあります。
当院でのドライアイ鍼灸治療
当院のドライアイに対する施術は、第一に目の周辺の経穴に鍼やお灸の刺激をし、目の血流改善を促します。
涙は血液から作られており、血流が悪いと涙の量も減ってしまいます。
経絡の調整
鍼灸は経絡(経絡気血)の流れを調整する効果があります。
経絡の滞りや不調がドライアイの原因となる場合、鍼灸によって経絡の流れを改善します。
気血の調整
気の流れを調整し、血液の循環を促進することで、涙液の生成や分布に影響を与えます。
肝の調整
鍼灸は肝のエネルギーを調整する効果があり、肝の調和を図ることでストレスや怒りといった情緒の不調を緩和し、ドライアイの改善を促します。
脾と胃の調整
脾胃の機能を整え、消化や栄養の生成をサポートすることで、涙液の生成に関与します。
全身のバランス調整
全身のバランスを調整し、体内のエネルギーの流れを活性化することで、目の健康をサポートします。