飛蚊症ってどんな病気?
飛蚊症(ひぶんしょう)は、眼球内や硝子体(しょうしたい=目の中にある透明なゼリー状の物質)内で見える小さな点や線のような影が、視野に浮かんで見える症状のことです。
これらの影は、目を動かしても一定の位置に留まることが特徴です。
飛蚊症自体は一般的には深刻な疾患ではありませんが、症状が急激に現れる場合や視野にブラインドスポット(視野の一部が見えなくなる領域)が出来たりする場合には、早めに眼科医に相談することが重要です。
飛蚊症の症状
・点や線のような影が視野に浮かんで見える。
・目を動かしても影が一定の位置に留まる。
・特に明るい背景や白い紙などを見たときに症状が目立つことがある。
・一般的には両眼で見えるが、片眼だけの場合もある。
なんで飛蚊症になるの?
飛蚊症の主な原因は、目の中にある硝子体の一部が液体と固体の混合物から変化することによるものです。年齢とともに硝子体は変化し、小さな構造や物質が目の中で浮遊することがあります。
また、目の中に異常な出血や炎症がある場合にも飛蚊症の症状が現れることがあります。
飛蚊症の治療や対策
一般的な飛蚊症に対する特効薬は存在しませんが、症状の進行を防ぐためには、適切な視力管理や健康的な生活習慣の維持が重要です。
例えば…
【眼の健康を保つ】
健康的な目の状態を保つことが重要です。
過度な目の疲れを避けるために、長時間の画面作業や読書の後には適度に休息を取りましょう。
【目のトレーニング】
目のトレーニングを行うことで目の筋肉をリラックスさせることができます。
例えば、目をゆっくりと上下左右に動かしたり、遠くの景色を眺めたりする習慣を持つことが有効です。
【ストレス管理】
ストレスは目の状態にも影響を与えることがあります。
ストレスを軽減するために、リラックス法や深呼吸などのストレスマネジメントを実践することも良いでしょう。
【視力管理】
視力が正確に補正されているかを確認し、必要に応じてメガネやコンタクトレンズの処方箋を更新することが大切です。
【明るい背景の回避】
飛蚊症が特に目立つ場合は、明るい背景や白い紙などの反射が強い場所での作業を避けると症状が軽減されることがあります。
自己ケアの方法は症状によって効果にばらつきがあるため、効果を感じられない場合や症状が悪化する場合は、眼科医に相談することが重要です。
飛蚊症の東洋医学的考え方は…
東洋医学では、飛蚊症は体内のエネルギーのバランスや臓器の調和に問題があると考えます。
ですから、体のエネルギーのバランスを整えることが、飛蚊症の症状を改善するための目標とされます。
方法としては、飛蚊症の原因に応じて漢方薬の処方、鍼灸、気功法、食事療法、ストレスマネジメントなどが有効と考えられます。
肝気鬱結(かんきうっけつ)
東洋医学では肝は感情やストレスを制御する臓器とされています。
肝気鬱結はストレスや感情の不調和によって肝のエネルギーが滞ってしまう状態を指します。
この滞ったエネルギーが目に影響を及ぼすとされ、飛蚊症が生じると考えられています。
腎気不足(じんきふそく)
腎は東洋医学において重要な臓器であり、体の根本的なエネルギー源である「腎気」が不足すると目の機能に影響を与えると考えられます。
血虚(けっきょ)
血虚は血液の不足を指し、目に栄養が十分に供給されないことが原因になると考えられます。
眼の疲労や過労
目を長時間酷使したり、過度な目の疲労や過労があると、目のエネルギーのバランスが崩れる影響で飛蚊症の症状が現れることがあります。
飛蚊症改善の助けになる鍼灸ってどんな治療?
飛蚊症に対する鍼灸治療は、一般的には症状の原因によって効果が異なるため、個人の状態に合わせたカスタマイズしたアプローチが必要です。
当院で効果をあげる治療法としては‥
【目の血行改善】
目の周辺のツボに鍼やお灸をして、目の血行を良くします。
目の血行状態を良くすると線維化した硝子体内の物質を排出しやすくなります。
当院では目にもお灸治療を積極的に取り入れてお灸による暖かさで血液循環の改善を図っていきます。
【経絡調整治療】
飛蚊症は五臓六腑の『肝』に深く関係しています。
『肝』に関連するツボを用いて肝血を補って肝陽の抑制などを行います。
鍼灸は経絡(気の通り道)の調整を行うことで、体内のエネルギーのバランスを整える効果があります。
飛蚊症が肝気鬱結などのストレスや感情の不調和に起因する場合には、経絡の調整がも行っていきます。
【頸部筋緊張の緩和】
頸部の筋肉が緊張すると、周辺の血流が妨げられることがあります。
血流が十分に行き渡らないと、目や目の周りの組織への栄養や酸素の供給が減少し、目の内部のバランスが崩れる可能性があります。
この影響によって飛蚊症が引き起こされると考えられるので、頸部の緊張緩和のための鍼もしっかりと行っていきます。
【自律神経の状態を整える】
飛蚊症でご来院される方は、忙しい日常を送っている傾向にあり、精神的・肉体的なストレス過多の方も少なくありません。
当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を検査してから施術に活かしていくことで、自律神経のバランスも整えていきます。
東洋医学の診断方法に基づき全身施術を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めて症状改善を早めることに繋がります。
また部分的ではなく全身治療をすることは東洋医学の特徴でもあります。