突発性難聴って？

突発性難聴とは、急激に耳の聴力が低下する病態です。

突発性難聴の症状は急激な耳の聴力低下だけでなく、耳鳴り、めまい、耳の圧迫感なども伴うことがあります。
突然に自分の耳が聞こえなくなったと感じることが多いですが、両耳が同時に影響を受けることは少なく、一般的に片耳が影響を受けることが多いです。

突発性難聴の原因は不明な場合が多く、特定の原因が特定されない場合を特発性突発性難聴と呼びます。
しかし、ウイルス感染や血管の障害、自己免疫疾患、内耳の障害などが原因として関連付けられることもあります。

突発性難聴が疑われる場合は、耳鼻咽喉科専門医に相談し、適切な検査と治療を早期に受けることが大切です。
自己判断で放置せず、専門家の指導を仰ぐようにしてください。

どんな症状が出るの？

突発性難聴の症状は急激な耳の聴力低下が主な特徴ですが、他にも以下のような症状が現れることがあります。

耳の聴力低下

突発的に片耳または両耳の聴力が急激に低下します。音が遠く聞こえたり、人の声が聞き取りにくくなることがあります。重症の場合は、ほとんど何も聞こえなくなることもあります。

耳鳴り

耳の中でジーなど色々な音で耳鳴りが聞こえることがあります。
耳鳴りは、聴力低下と同時に現れることがよくあります。

めまい

突発性難聴の患者は、めまいを感じることがあることがあります。
めまいが強い場合は、立ちくらみやバランスの崩れを伴うことがあるので注意が必要です。

耳の圧迫感

耳の中に圧迫感や、耳の詰まったような耳閉感として感じることがあります。

突発性難聴の治療

突発性難聴の治療方法は、原因に応じて異なりますが、以下のような治療方法があります。

薬物療法：ステロイド薬（ステロイドは炎症を抑える作用があり、内耳の炎症を緩和し、聴力の回復を促す効果があります）、抗ウイルス薬（ウイルス感染が原因と考えられる場合）、血管拡張薬（内耳の血液循環改善するために）など原因に合わせて処方されます。

酸素療法：高濃度の酸素を吸入する酸素療法が試みられることがあります。これは血流の改善を促す効果が期待される治療法です。

鍼灸療法：鍼灸は突発性難聴の症状緩和に一定の効果があるとされています。鍼による内耳への血流増加効果があります。ストレスによる突発性難聴に対しては、特に鍼灸が有効とされることがあります。

重要な点は、突発性難聴の治療は個人に合わせた適切なアプローチが必要であり、原因によって異なる治療法が選択されることです。
突発性難聴の症状が現れた場合は、早急に耳鼻咽喉科専門医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。自己判断で放置せず、専門家の指導を仰ぐようにしてください。

突発性難聴の東洋医学的考え方

突発性難聴の東洋医学的病態については、伝統的な中国医学や漢方医学の視点から以下のような考え方ができます。

しかし、これらの東洋医学的病態は、個人の体質や症状によって異なる場合があります。
東洋医学的なアプローチでは、体全体のバランスを整えることが重要視されます。
ただし、突発性難聴の治療には、西洋医学の専門医の診断と治療も重要です。
東洋医学的な治療を受ける場合も、専門の鍼灸師や東洋医学の専門家に相談し、西洋医学の治療と併用することが望ましいです。

気の滞り

東洋医学では、突発性難聴は身体内の「気」の流れが滞ったり、バランスが乱れた結果とされることがあります。
耳の周りや頭部の経絡に気の滞りが生じると、聴力が低下する可能性があると考えられます。

腎気の虚弱

東洋医学では、腎気の虚弱が耳の健康に影響を与えるとされています。
腎気は生命の根本的なエネルギーを司り、耳の健康にも重要な役割を果たすとされます。
突発性難聴の発症には、腎気の虚弱が一因と考えられることがあります。

外感邪気

東洋医学では、「外感邪気」と呼ばれる外部からの有害な気が体内に侵入することで、症状が発生するとされています。
突発性難聴の場合、風邪や感染症による外感邪気が耳に影響を及ぼすと考えられることがあります。

経絡の障害

経絡は身体内を巡るエネルギーチャネルであり、経絡に障害が生じることで聴力が低下するとされています。
特定の経絡が影響を受けることで、片耳が影響を受けることが多いと考えられています。

突発性難聴にする当院での鍼灸治療

当院の突発性難聴への治療は、第一に耳の周りを鍼灸で刺激することにより内耳の血流改善することです。
また、内耳の血流不足を改善するためには、頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼をうち、必要に応じて電気治療も併用していきます。
これらの治療は当院独自の治療選穴により高い治療効果が出ております。

また全身の調整をしていくことで、自律神経のバランスを整え、人間が本来持っている自然治癒力を高めることができます。
鍼灸治療は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すだけではなく、両方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることができます。

耳周辺の治療穴（ツボ）として
「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などを用いて
その方の状態に合わせて首や頭のツボを決めます。
また背部にある「腎」や「肝」の重要なツボを刺激することで、「腎」「肝」の機能回復を促します。

また突発性難聴の患者さんは、日常生活の中でストレスを抱えている方が多いです。
当院では、『東洋医学の特徴である全身を診て治療する』ことにより、全身をリラックス状態へと導き過度なストレスを和らげます。