うつ病とは…?
うつ病とは。
精神障害の一つであり、持続的な憂鬱や興味喪失、活動低下などの状態です。
一般的な憂鬱感や悲しみとは異なり、うつ病は長期間にわたって日常生活に深刻な影響を与える精神的な状態です。
うつ病は早期に適切な治療を受けることが重要です。
無理をせず、専門家との連携を大切にしていくことが回復に向けて必要です。
うつ病の原因
うつ病の原因は単一の要因ではなく、複雑な要素が組み合わさって発症すると考えられています。
例えば、遺伝的な要因、脳化学の変化、ストレス、心理的要因などが関与していると考えられています。
これらの要因が複合的に組み合わさることで、うつ病が発症することがあるとされています。
また、個人差も大きく、同じ状況に直面しても、一部の人がうつ病になり、他の人がならないということもあります。
具体的に原因となり得るのは…
生物学的要因
遺伝的素因や脳化学の変化がうつ病のリスクに関与しています。
家族にうつ病の症状が見られる場合、遺伝的な影響が考えられます。
また、脳内の神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなど)のバランスが崩れることがうつ病の発症と関連していると考えられています。
環境的要因
ストレスやトラウマ、人間関係の問題、仕事上の負担など、様々な環境的な要因がうつ病の発症に影響を与える可能性があります。
特にストレスが長期間続くと、うつ病のリスクが高まるとされています。
個人的要因
うつ病は個人の性格や精神的な特性にも関連しています。
自己評価が低く、自己肯定感が弱い人や、ネガティブな思考パターンを持つ人はうつ病になりやすいとされています。
身体的要因
一部の身体的な疾患や慢性病がうつ病を引き起こす場合があります。
例えば、甲状腺機能低下症や神経難病などが挙げられます。
うつ病の症状
・持続的な憂鬱や絶望感
・興味や楽しみを感じなくなること
・疲労感やエネルギーの低下
・睡眠の障害(過眠または不眠)
・食欲の変化(食欲喪失または過食)
・集中力や注意力の低下
・自己評価の低下や罪悪感の増加
・自己価値の喪失感
・自殺念慮や自殺企図の増加
これらの症状が2週間以上続く場合、うつ病の可能性が考えられます。
ただし、症状もすべての患者に共通ではありませんし、症状の程度も個人差がありますので診断には早期に専門家の受診をお勧めします。
うつ病の治療
うつ病の治療は、個人の症状と状態に合わせて総合的なアプローチが必要となります。
治療法の一部をご紹介します。
これらは単独でも有効ですし、複数のアプローチを組み合わせると、より効果的なになることがあります。
薬物療法
抗うつ薬がうつ病の治療に一般的に使用されます。
これらの薬は脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで、うつ症状の改善を促す効果があります。
ただし、薬物療法は個人によって効果や副作用が異なるため、専門医による適切な処方と経過観察が必要となります。
心理療法
認知行動療、対人関係療法、心理動機的アプローチなどの心理療法は、うつ病の治療に有効とされています。
患者の問題解決能力を向上させたり、ネガティブな思考パターンを改善することを重視します。
運動療法
適度な運動はうつ病の症状緩和に役立つと言われています。
運動によって脳内のエンドルフィンが分泌され、気分が改善されるという効果があります。
鍼灸療法
鍼灸は補完的な治療法として、うつ病の症状緩和に一定の効果があると言われています。
経絡やツボに針を刺激することで、リラクゼーションやストレス軽減に寄与するとされています。
社会的サポート
家族や友人、支援グループとの交流やサポートは、うつ病のケアに重要です。
理解ある人々に囲まれることで、孤立感を軽減し、心の安定につながります。
うつ病の東洋医学的考え方
うつ病は、東洋医学でいう「気」が大きく関係していると考えられています。
「気」とは、体内を流動する物質のひとつであり、人体の生理的機能に相当します。
「気」の基本的機能としては、生長、発育、代謝の推進、推動の維持及び体温の維持・調節、病邪の防御または排除などがあります。
うつ病はこの「気」が不足したり、流れが滞ったりすることで発症するものと考えられます。
「気」の作用不足によって、臓腑の機能低下や抵抗力の減退などがあらわれ、元気が出ない、気力がない、無力感、声に力がない、動きたがらない、食欲不振などの全身的な虚弱の症状が出ます。
中でも心の気の不足(心気虚)ではうつ病の症状が出やすく、不安感や胸苦しいなどの精神面または循環系(動悸など)の症状がよく見られます。
また、精神的ストレスや飲食の不摂生などにより「気」の流れが滞ると自律神経系の緊張や過亢進による症状があらわれると考えられています。
とくに「肝の気」の流れが滞ると、精神的な素因に関係する症状があらわれ、憂うつ感、怒りやすい、胸脇部の張った痛みなどの症状が見られます。
この肝の流れが滞る状態が長引くと、
東洋医学的には「肝の気」の病態から「腎」や「脾」に波及して、
西洋医学的には自律神経系の過亢進に伴って、
頭痛、のぼせ、胸やけ、難聴、不眠などの症状が出てきます。
うつ病にする鍼灸治療
東洋医学では、症状を局所的に診るのではなく、全体的に診るということがとても重要な考えで全身治療を行うことにより自然治癒力を高めます。
またうつ病は東洋医学的に見ると「気」の作用不足や「気」流れの滞りが原因で発症すると考えられているので、鍼やお灸を用いてツボを刺激することで「気」を補ったり、「気」の流れの滞りを解消させるよ治療をしていきます。
他にも、うつ病患者さんでは頭痛や肩こり、慢性的な痛みを訴える方が少なくありません。
そういった患者さんには頭痛や肩こりの解消、痛みの緩和を目的とした治療も並行して行っていきます。
当院の鍼灸治療によるうつ病の施術は、西洋医学とは違う東洋医学の観点からもアプローチしていきます。
自律神経を整える
体の表面を流れる気を整える鍼が、自律神経を整えるのに効果的です。
鍼を打つ深さはとても浅いですが、全身の状態を整えて体の重さがスッと抜けたような感覚になります。
東洋医学で診て虚しているところを補う
東洋医学的に「肝の気」や「心」「腎」「脾」の虚や滞りに対して、鍼灸での補法や寫法で治療をしていきます。
原因となっているところの治療をすることで、それに伴って出ていた症状を軽減していきます。
随伴症状(頭痛や胃の不調、睡眠、首肩こりなど)に対する施術
それぞれの症状に合わせた、ツボや筋肉に鍼をして治療を加えていきます。
首肩こり、胃腸の症状や頭痛などはそれらの症状単独でも治療に来られる方がいらっしゃる鍼灸の効果のある症状です。
安心して治療を受けにいらして下さい。