副鼻腔炎とは
副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、鼻の中にある副鼻腔と呼ばれる空洞が炎症を起こす状態を指します。副鼻腔は鼻の周りに存在し、空気を浄化し加湿する役割を果たしています。
副鼻腔炎は一般的には上気道感染症(風邪やインフルエンザ)などのウイルスや細菌による感染が原因となります。感染が起こると、副鼻腔内の粘膜が腫れて炎症を起こし、副鼻腔内の排液や粘液が滞留しやすくなります。
副鼻腔炎の症状には、以下のようなものがあります。
⚫︎鼻づまりや鼻水
⚫︎顔や頭の重さや圧迫感
⚫︎頭痛や顔の痛み
⚫︎嗅覚の低下
⚫︎咳や喉の痛み(副鼻腔の排液が喉に流れることで引き起こされることもあります)
副鼻腔炎は一般的には自然に治癒することが多いですが、重症化する場合や反復する場合には医療の介入が必要となることもあります。医師は症状や経過を評価し、必要に応じて抗生物質や抗炎症薬の処方、鼻腔洗浄や副鼻腔ドレナージの手技などの治療法を選択することがあります。
副鼻腔炎の予防には、風邪やインフルエンザなどの上気道感染症を予防することが重要です。手洗いや咳エチケットの実施、適切な休養や栄養の摂取、充分な水分摂取などが推奨されています。また、鼻腔の保湿や鼻水の適切な処理も予防に役立つことがあります。
副鼻腔炎のメカニズム
粘膜の炎症
感染やアレルギー反応、刺激などが原因で、鼻の粘膜が炎症を起こします。炎症によって血管が拡張し、組織に充血や浮腫みが生じます。
粘膜の腫れと通気の阻害
炎症によって鼻の粘膜が腫れ上がります。この腫れによって、副鼻腔の出口や通り道が狭くなり、副鼻腔内の空気の通気が阻害されます。通気の障害により、副鼻腔内の空気圧が低下し、排液や粘液の排出が困難になります。
副鼻腔内の滞留物の増加
副鼻腔内の排液や粘液が滞留しやすくなります。滞留した排液や粘液は細菌やウイルスの増殖を引き起こし、感染が進行する可能性があります。
細菌感染の進行
副鼻腔内の滞留物に細菌が繁殖すると、細菌感染が進行します。細菌による感染は炎症の悪化を引き起こし、さらに副鼻腔内の状態を悪化させます。
症状の発現
副鼻腔内の炎症や滞留物の増加によって、さまざまな症状が現れます。これには鼻づまり、鼻水、顔や頭の重さや痛み、咳、喉の痛みなどが含まれます。
副鼻腔炎の治療法
自宅でのケア
【休息と適切な睡眠】
充分な休息と質の良い睡眠をとりましょう。
【温湿布】
顔や鼻の周囲に温湿布を当てることで、症状の緩和が図れる場合があります。
【水分摂取】
充分な水分を摂取し、体を水分補給することが重要です。
薬物療法
【鼻スプレー】
抗炎症作用を持つ鼻スプレーや点鼻薬が処方されることがあります。これにより、鼻の粘膜の腫れを軽減し、通気を改善します。
【抗生物質】
細菌感染が疑われる場合には、抗生物質が処方されることがあります。ただし、細菌感染ではない場合には抗生物質の使用は避けられます。
【痛み止めや解熱剤】
頭痛や発熱などの症状を和らげるために、痛み止めや解熱剤が使用されることがあります。
副鼻腔洗浄
塩水洗浄や鼻腔洗浄器の使用により、副鼻腔内の排液や粘液を洗い流すことができます。これによって炎症を軽減し、副鼻腔の通気と排液を改善することができます。
手術治療
【副鼻腔ドレナージ】
副鼻腔内の排液や粘液を排出するために、手術的なドレナージ法が行われる場合があります。これによって副鼻腔内の圧力を正常化し、症状の改善が期待されます。
【ポリープ切除術】
鼻ポリープが原因で副鼻腔炎が繰り返し起こる場合には、ポリープを摘出する手術が検討されることがあります。
副鼻腔炎と鍼灸
副鼻腔炎の鍼灸治療では、以下のようなアプローチをします。
症状の緩和
鍼灸によって鼻づまり、頭痛、顔の圧迫感などの症状を軽減することが期待されます。鍼灸は神経系や血液循環に働きかけることで、炎症の緩和や痛みの軽減を促進します。
免疫力の向上
鍼灸は免疫系の調節にも働きかけると考えられており、免疫力の向上を促すことで、副鼻腔炎の再発を予防する効果が期待されます。
副鼻腔の排液促進
鍼灸によって副鼻腔の排液や粘液の流れを促進することが目指されます。針を刺激することで、副鼻腔内の滞留物を排出し、炎症の緩和と副鼻腔の通気改善を図ることが期待されます。
副鼻腔炎でお悩みの方はぜひ鍼灸をお試しください。吉祥寺αはりきゅう院の熟練した鍼灸師が、患者様の症状に合わせた施術をご提案させて頂きます。