夜なかなか寝付けない。
寝たのに疲れが取れない。
熟睡感がない。
そんな事が繰り返されると… いろいろな身体の不調が出てきて辛いです。
そんな辛い不眠の原因や対策についてまとめてみました。
不眠の種類
機械性不眠
生活習慣の乱れや、一過性の精神的緊張などによって正常な睡眠が妨げられたり、リズムが崩れたりする不眠のことです。
原因がなくなれば、症状は改善される事が多いですが。
不眠の時の精神的興奮や自律神経の乱れなどの悪循環によって、症状が長引くことがあります。
神経症性不眠
痛みなど、睡眠を阻害する要素を持つ身体の状態や、精神状態に起因するパターンがあります。
睡眠障害は生活習慣病の1つ?
入眠障害などの睡眠障害は、生活習慣病の1つだと言われることもあるそうです。
健康的な生活を送る上で、とても大切な要素となる睡眠です。
長期に睡眠障害を放置すると、生活の質が損なわれて、健康を脅かす原因になります。
不規則な食事や運動不足は、睡眠の質を著しく低下させます。
ただ、生活習慣の改善ができれば、良質な睡眠を保つことができる可能性があるという事でもあります。
規則正しい生活・適度な運動・正しい睡眠習慣のすべてが繋がっているのです。
睡眠障害も生活習慣病の1つだと考えて、できることから改善していくことで睡眠の質を上げていきましょう。
考えられる要因
自律神経の乱れ
寝付けない、何度も目が覚める
といった不眠の場合、自律神経が乱れている可能性があります。
自律神経には活動時に優位になる交感神経と睡眠時に優位になる副交感神経があり、バランスを取りながら働いています。
しかし、自律神経が乱れると睡眠時に交感神経が優位になってしまい、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されます。
コルチゾールが分泌されると交感神経が刺激されて脈拍や血圧が上昇するため、脳と体を覚醒状態に導きます。
朝はコルチゾールの分泌量が特に多く、夜になると減少することで身体のリズムを整えていますが、
自律神経が乱れると睡眠時にも多くのコルチゾールが分泌されてしまい、不眠を引き起こします。
生活習慣の乱れ
夜勤シフト、遅くまでの残業、海外出張などの生活は体内時計が乱れます
・ストレス ・環境の変化
人間関係や仕事の悩み事など、ストレスを感じることのほかにも。
ストレスというと、ネガティブなイメージを想像しがちですが、楽しいことや嬉しいことも、人は無意識にストレスを感じます。
生活環境の変化や、翌日イベントが控えている場合に寝つきにくく感じるのもこの為です。
薬やアルコール
抗がん剤やステロイドの影響により、入眠障害になる場合があります。
また、アルコールやカフェイン、タバコに含まれるニコチンなども原因の1つです。
アルコールやカフェインの過剰摂取は、睡眠の質を低下させることが分かっています。
からだの病気
糖尿病や高血圧など生活習慣病がある場合、入眠障害を併発することがあります。
呼吸器疾患に伴う咳や発熱。
湿疹などによるかゆみ、痛み。
なども寝つきが悪くなる原因になります。
こころの病気
うつ病や不安障害など、精神疾患を患う方の多くに不眠症状がみられます。
寝付けないことが不安の種となり、考え込んでしまうことで更に眠れない状態に陥ります。
東洋医学的には
東洋医学的観点では「心」「肝」「脾」の働きやバランスの乱れが睡眠障害と大きく関係します。
「心」とは精神を安定させる働きをしているところです。
「心」の働きが弱まると、精神が不安定になり、寝付きが悪い、途中で起きてしまうなど、睡眠の質の低下が現れてきます。
「肝」は血を蓄えている貯蔵庫のような働きをする場所です。また、そこで綺麗な血に浄化する役割も担っています。
「肝」の働きが低下すると、血が浄化されず、身体に様々な不調をきたします。それにより、睡眠にも影響してきます。
「脾」とは血を生成し、消化吸収をしているところです。
「脾」の働きが弱まると、「心」「肝」も血不足となります。
また、食べ物の消化がうまくいかないとお腹の不調が現れます。これが長引くと不眠に繋がるのです。
鍼灸では、これら「心」「肝」「脾」の働きを正常化させるための施術を行います。
当院での治療
まず鍼灸の得意分野である自律神経の調節を行います。
これまでお話ししてきた通り、睡眠障害の原因となり易いのは、日常生活の中のストレスや生活習慣に影響されるもの、心や身体の不調に伴うことが多いです。
このようなストレスや不調の影響を軽減していくには、自律神経の調整をする事で体質改善に繋がります。
自律神経を整えることで、免疫力がつき、人が本来持っている自然治癒力を高めていくことに繋がります。
また、東洋医学的観点からの治療穴として「心」「肝」「脾」のツボも使用し、原因となっている症状の軽減にアプローチしていきます。
自宅でできる自律神経改善法
当院での治療に併せて、ご自宅でも出来る方法を併用すると、効果を上げることが期待ができます
生活習慣の改善
生活習慣の改善は自律神経の乱れを整え、不眠を解消する効果が期待できます。
中でも食事と睡眠は不眠を治すために欠かせない要素です。
食生活
忙しい時、時間がない時、コンビニ弁当などの食事で済ませたり、朝食を抜いてしまう事があります。
しかし、コンビニ弁当などに含まれる食品添加物は身体にストレスを与え、自律神経を乱すリスクがあります。野菜や肉、果物などをバランス良く摂ることが大切です。
また、朝食を摂ることは身体を目覚めさせて、体内時計のリズムを調える効果があり良い睡眠に繋がります。
就寝前の習慣
スマホやパソコンから出るブルーライトは脳を覚醒させます。就寝前にスマホやパソコンなどの電子機器に触らないようにしましょう。
また、週末の夜更かしや昼寝のしすぎは体内時計を乱してしまうため、毎日同じ時間に起床・就寝することが大切です。
自律神経を整える呼吸法
腹式呼吸は副交感神経を刺激し、身体をリラックス状態へと導く効果があります。
就寝前に行なうと効果的です。
①背筋を伸ばし、鼻からゆっくり息を吸い込みます
②肩の力を抜き、空気を全て出すイメージでお腹がへこむまで吐き切ります
③10~20回ほど繰り返します
適度な運動
適度な運動を行うことも自律神経を整える効果があります。
軽く汗が出る程度の運動、ウォーキングや水泳、ヨガなどの有酸素運動が効果的です。
継続が大切なので、自分が続けやすいものを取り入れると良いですね。
ただし、就寝数時間前の運動は覚醒状態に陥って、かえって寝つきが悪くなる事があるので、就寝4時間前までに行う方が良いでしょう。
ストレス発散
強いストレスが続くと交感神経が過剰に働き、結果的に自律神経に乱れが生じます。
そのため、音楽や映画鑑賞、旅行、買い物などのストレス発散方法を見つけ、定期的に気分転換を行いましょう。
就寝前習慣
眠りに入りやすくするために、就寝前に副交感神経を活発にすることが大切です。
入浴や読書、ストレッチなどは心身をリラックス状態へと導きます。
中でも半身浴は副交感神経を優位にして、睡眠の質を上げるのにおすすめです。