「朝起きると背中が張って重い」
「デスクワーク中に肩甲骨の内側がズキズキ痛む」
「深呼吸すると背中に違和感や張りを感じる」
このような症状は、多くの方が悩まされる症状です。背中の痛みは、単なる筋肉疲労(筋・筋膜性疼痛)だけでなく、姿勢の悪化(猫背、巻き肩)による僧帽筋や菱形筋の過度な緊張、内臓疲労や自律神経の乱れが原因で起こることがあります。
特に、長時間の同一姿勢や精神的なストレスは、背骨周りの深部筋(インナーマッスル)を硬くし、血流を悪化させ、痛みを慢性化させます。
また、胃腸や心臓など内臓の不調が、背中の特定の部位に痛みとして現れる(関連痛)ことも少なくありません。
あなたの不調はどのタイプ?背中の痛みの主な原因
筋・筋膜性疼痛
肩甲骨の内側、背中全体で重だるさ、強い凝りを感じる。
姿勢を変えると楽になり、特定の動作で痛む。
姿勢不良(猫背・巻き肩)
背中上部、首の付け根で張りが強く、慢性化しやすい。
ストレートネックになりやすく首の痛み、緊張性頭痛を引き起こしやすい。
自律神経の乱れ・ストレス
背中全体、特に背骨沿いにズキズキ痛む、または重い感じがする。
自律神経の乱れからおこりやすい不眠、不安、胃腸の不調、疲労感を感じやすい。
脊柱の問題
背骨の中央や下部を中心に動作時の激しく痛む。
椎間板ヘルニア、圧迫骨折がおこっている可能性があります。(医療機関での診断が必須)
内臓の関連痛
右背中(肝臓、胆のう)、左背中(胃、膵臓)に鋭い痛みが続く。
発熱、吐き気、食欲不振を併発する。(医療機関での緊急受診が必要)
なぜ「背中が痛む」?東洋医学的には
背中の痛みは筋肉の緊張などが原因ですが、東洋医学ではその背景に「五臓の疲労」や「冷え」が関わっていると考えます。
東洋医学では、背中を「背は陽なり」といい、体の陽気(エネルギー)が集まる重要な場所と考えます。
(ちなみに反対に位置するお腹が「陰気」が集まる場所です)
背骨の両脇には、五臓六腑に関わる「兪穴(ゆけつ)」という大切なツボが並んでおり、背中の痛みはこれらの臓腑の疲労や不調と密接に関わります。
肝(かん)のバランスの乱れ
デスクワークやスマホの使い過ぎによる「目の使いすぎ」は、「肝」を疲弊させます。
「肝」は「筋」を司るため、その機能が低下すると、背中の筋肉(特に肩甲骨周りの菱形筋など)が異常に硬直し、痛みを引き起こします。
また、肝の機能が高ぶりすぎていると日常にあるストレスに対応しにくく、イライラしやすかったり気分の落ち込みが激しかったりします。よって、症状が悪循環になりやすいです。
心(しん)の不調
精神的なストレスは「心」に負担をかけ、交感神経を過緊張させます。
背中の筋肉、特に背骨沿いの深部筋は自律神経の影響を受けやすく、緊張が持続することで慢性的な痛みに繋がります。
心が弱っている方は、ストレスにより動悸や胸苦しさ、悪夢をみやすいといわれています。
冷えによる滞り
身体が冷える(寒邪の侵入)と、気血の巡りが停滞し、血流が滞っている状態になります。
血が滞ると、「瘀血」という身体に血が溜まっている状態になり、
身体のコリを感じやすくなります。
当院の鍼灸治療
背中、肩甲骨の内側の痛みに対する当院の治療は、背中に鍼を刺して場合によってその鍼に通電療法を用いることで痛みを鎮静化させます。
鍼の効果として痛みを抑制する鎮痛効果が挙げられます。刺した鍼に電気を流すことでその鎮痛効果がさらに高まることが期待できます。
当院ではお灸療法も並行して行っていきます。お灸は筋肉が暖まることで弛緩しやすくなり、老廃物質や発痛物質を流してくれる効果が期待できます。
東洋医学的に診ると背中周りの痛みには背部兪穴といって五臓六腑の重要なツボが分布しています。痛みの部位とツボの位置を照らし合わせることでどの臓腑が異常をきたしているか特定してその臓腑のツボも用いた施術も並行して行うことで高い施術効果が期待できます。
その他問診時に自律神経の乱れも関与していると考えられた場合には、自律神経測定器で自律神経の状態も把握したうえで施術を行っていきます。背中周りの痛みが強く出ている部分の施術と自律神経の状態も整えることで根本的な解決を目指します。
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