60代男性。レントゲンで骨棘があると言われた。
この患者様はご来院の3週間ほど前から左足に痛みが出現。
だんだんと痛みが強くなり病院でレントゲンを撮ったところ踵のアキレス腱付着部に骨棘ができていると言われた。
通勤時に駅から職場まで徒歩20分を歩かねばならず、びっこひいて歩いていたため右足もかなり疲れがたまっている状態。
来院時も痛みのため普通に歩けず、びっこひいていました。
お体の状態
まず足全体に強い浮腫がみられた。
柔軟性もかなり乏しく、前屈は床から手まで30㎝ほど距離があり、後屈もほとんど後ろに反れていない。
股関節の可動域も悪く正常可動域の半分ほどしか動かせていない状態でした。
治療方針
今回の治療方針は「局所の炎症を抑えること」と「股関節の可動域を出すこと」
この2つにフォーカスを当てて治療を行いました。
アキレス腱炎の場合、アキレス腱付着部に炎症が起きているため、その炎症を抑えてしまえば痛み自体は軽減します。
しかし炎症が起こってしまった原因を改善していかないと、普段の生活で負荷がかかってしまいまた再発を繰り返してしまいます。
今回の患者様は仕事で歩行時間が長いため根本の部分を解決しないと繰り返してしまうということをお伝えして治療を行いました。
実際の治療
まずは自律神経の調整と姿勢改善のため首から背中へ鍼とお灸を実施。
その後股関節の動きを付けるためにお尻の筋肉へ鍼を刺した後、ふくらはぎには鍼通電療法を行い筋肉をしっかり緩めアキレス腱へのストレスを軽減するようにしました。
鍼治療の後は足回りにしっかりストレッチをかけて全身を整えました。
治療直後
院内を痛みがなく歩くことができた。
患部をかばう癖はまだ残っているがスムーズに歩けるようになった。
2回目
重心を下げると痛みがなく歩ける。
びっこひく歩き方もだいぶ改善。
4回目
びっこひく感じはほとんどなくなった。
痛みもピーク時が10だとすると1くらいまで減った。
5回目
動き出しだけ少し痛みがあるくらいであとは痛みがなくなった。
身体の柔軟性がかなり悪く再発する可能性が高いので2週間に一度のペースでメンテナンス中。