複視とは
複視とは物が2重、3重に見える症状を言い、単眼複視と両眼複視に分類されます。
単眼複視
両目で見ている時は症状を感じず、片目だけの時に複視が現れます。
単眼複視は目から入る光をキャッチする網膜までに何らかの異常がある場合に起こります。
単眼複視の主な原因は、白内障や乱視が挙げられます。
両眼複視
両目で物を見る時に複視が現れます。両眼複視の場合は片方の目を閉じると複視は消失します。
両眼複視は原因が多くあります。代表的なものは
・脳神経麻痺による斜視
・重症筋無力症
・甲状腺眼病(バセドウ病)
が挙げられます。
最も頻度が高いのが外眼筋(目を動かす筋肉)を支配する脳神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)の麻痺による斜視が生じることで複視を発症します。
また顔面神経麻痺に伴う眼瞼下垂によっても複視を発症することがあります。
複視の原因となる斜視
斜視は注視している際に片方の目の位置がずれている状態を言います。
斜視の芸能人も多くいてそんなに珍しい病気ではありません。
目には6つの筋肉が着いており複雑な動きを可能にしています。
この筋肉のバランスが崩れることで斜視が起こります。
斜視自体は見かけることも多いですが、斜視があると前述した複視が生じ、長期的に続くと弱視や視力障害などの原因となることもありますので早めの治療が推奨されます。
斜視の種類と原因
目を動かす6つの筋肉
目には6つの筋肉があります。
外側直筋→目を外方向へ向ける
内側直筋→目を内方向へ向ける
上直筋 →目を上方向へ向ける。また内方向、内旋の作用もある
下直筋 →目を下方向へ向ける。また内方向、外旋の作用もある
上斜筋 →目を下、外方向へ向ける。また内旋の作用もある。
下斜筋 →目を上、外方向へ向ける。また外旋の作用もある。
この6つの筋肉のうち、内側直筋、上直筋、下直筋、下斜筋は動眼神経、外側直筋は外転神経、上斜筋は滑車神経が支配しています。
なので斜視の方向によってどの筋肉、神経に異常があるのか見分けることができます。
斜視の種類
1、外斜視
2、内斜視
3、上斜視
4、下斜視
5、外回旋斜視
6、内回旋斜視
最も多いのが動眼神経麻痺による外斜視です。
次に外転神経麻痺による内斜視が見られます。
隠れ斜視「斜位」
隠れ斜視とも言われる「斜位」も複視の原因となります。
斜位は両目で注視している時は斜視が見られないが、片目を隠すと隠した側の目に斜視が出現する状態を言います。
斜位は世界の健常者の人口の70~80%の人に見られると言われており、斜位があるだけでは問題にはなりません。
しかし斜位があると目のピント調節機能にかなり負担がかかるので、ひどい眼精疲労や頭痛の原因にもなります
複視への鍼灸治療
当院の複視への鍼灸治療の方針は、
①目の周りの筋肉、ツボに鍼を刺し、目への血液循環を促す
②首肩コリを改善し、頭部(脳)への血液循環を促す
③自律神経の乱れを調節し、全身の機能を向上する
この3つを主にお体の状態を診て鍼を打つ場所を決めていきます。
治療に使う代表的なツボ
・陽白
・攅竹
・太陽
・四白
この4つは目の周りにあり、鍼刺激をすることで目の血流が良くなり、眼精疲労の改善や外眼筋の機能向上が期待できます。
また首のツボも目と関係が深く、特に代表的なツボは
・天柱
・風池
・完骨
の3つです。これらは頭痛や首肩コリの改善にもよく使われるツボです。
ツボの深部には後頭下筋と言われる4つの小さな筋肉があり、後頭下筋は目の動きに合わせて反応します。
この筋肉が固まっていると目の動きが悪くなり、眼精疲労や複視の原因ともなります。
眼精疲労や複視でお悩みの方はご相談ください。
当院は他ではあまりない、眼科、耳鼻科に特化した鍼灸治療院です。
毎月、病院の通院や薬を飲んでもあまり変化がなかった方が鍼灸治療を受けにご来院されます。
鍼灸治療は局所的に治療するのではなく、全身の状態を良くするように治療をしていきます。
副作用もなく、お悩みの症状だけでなく体が軽くなったと喜んでいただいております。
辛い症状、お悩みもしかしたら鍼灸治療で改善できるかもしれません。
ぜひ一度ご相談ください。