緑内障とは?
緑内障とは何らかの原因によって眼房水の排出がうまくできなくなり、眼圧が上昇することで視神経に障害が引き起こされ、視野欠損などを引き起こす病気です。
急性に発症するタイプと慢性的に緩やかに進行するタイプがあり、前者は急な眼圧上昇により、眼痛や頭痛といった症状が自覚しやすいのに対し、後者は自覚症状に乏しく、自覚症状が出た時には進行がかなり進んでいるといったケースが多いです。
緑内障の分類
①原発性緑内障
原因は不明でほかに目の病気などが見られない緑内障。
原発性緑内障は3つのタイプ
ⅰ)原発開放隅角緑内障
ⅱ)正常眼圧緑内障
ⅲ)原発閉塞隅角緑内障
に分けられます。
緑内障は通常は眼圧上昇が特徴的な病気ですが、なかには眼圧上昇を伴わない緑内障もあります。
②続発性緑内障
目の病気(ブドウ膜炎など)や全身疾患、薬物によって引き起こされる緑内障。
③小児緑内障
胎生期の隅角異常や他の疾患によって発症する緑内障
眼圧が上昇する仕組み
目には眼房水と呼ばれる血液の働きをする液体が作られています。この眼房水は毛様体から産生され、隅角(白目と黒目の境界)から排出されます。
緑内障の患者様はこの隅角に異常が見られ、眼房水の排出がうまくできなくなります。
眼房水は常に産生されているので行き場を失った眼房水が眼球内に溜まり、視神経を圧迫することで視覚障害を引き起こします。
そして一度障害されてしまった視神経は元に戻すことはできないので、早期発見、早期治療がとても大切になります。
日常生活でも眼圧が上がらないように気を付けることで病気の進行を緩やかにします。
緑内障の鍼灸治療
緑内障の治療は眼圧の上昇を抑えることがもっとも大切とされています。
鍼灸治療では眼房水の過剰な産生を減らすこと、隅角を広げ眼房水の排出がスムーズに行えるようにすることを目的とします。
眼房水の産生と隅角の拡大には自律神経が関与しています。
病院で処方される薬にも交感神経α、β遮断薬、副交感神経刺激薬などが使われます。
副交感神経が刺激されると毛様体筋が収縮し隅角が広がり眼房水の排出が促されます。
交感神経が刺激されると毛様体筋は弛緩し眼房水の産生が促されます。
ですので過度なストレスがかかり交感神経が過剰な状態になると、毛様体筋は弛緩している状態になるので眼房水の産生が増えると同時に隅角も狭くなり眼圧の上昇が起こると考えられます。
また毛様体筋にはピント調節機能があります。毛様体筋が収縮すると硝子体(目のレンズにあたる部分)の厚みが増し近くのものが見やすくなります。
反対に毛様体筋が弛緩すると硝子体は薄くなり遠くが見やすくなります。
自律神経の乱れが生じるとこのようなピントの調節がうまくできなくなるため、目のぼやけやピントが合わないといった症状が出てきます。
鍼灸治療にはそういった自律神経を調節するツボがたくさんあります。
特に手足末端に近いツボは副交感神経を高める作用があり、背中のツボには交感神経を鎮めるツボが並んでいます。
これらのツボをお体の状態に合わせて選択し治療することで自律神経の調整ができます。
また眼圧を下げる治療には目の周りのツボも使われます。
治療に使われる代表的なツボは攅竹、魚腰、太陽、四白の4つです。
これらのツボを刺激することで目の周りの血流が促進され眼圧を下げるとともに眼精疲労などにも効果があります。
鍼灸施術をご検討の皆様へ
緑内障を発症し一度視神経に異常が起こると元には戻らないと言われています。
ですので早期発見、早期治療がとても大切になってきます。
特に慢性緑内障は緩やかに進行していくので自覚症状がはっきり表れた時にはかなり進行してしまっているというケースも多く見受けられます。
眼圧をコントロールすることができれば視覚障害を発症してしまうことも防げます。
薬だけじゃ不安、あまり効果を感じれないという方は手遅れになる前に一度鍼灸治療をお試しください。