過活動膀胱とは?
過活動膀胱とは「切迫性尿失禁の有無にかかわらず、通常、頻尿および夜間頻尿を伴う尿意切迫を特徴とする症候群」と定義されています。
「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急に尿意が起こり、我慢ができず漏れてしまう」といった症状がみられ日常生活にかなりの影響を与えてしまいます。
過活動膀胱の原因
過活動膀胱の原因は大きく2つ分けてあります。
1つは神経因性の過活動膀胱で、脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄損傷など中枢神経系の問題と脊柱管狭窄症による馬尾、末梢神経障害が原因となります。
2つ目は非神経因性の過活動膀胱で、中枢神経系以外に原因が見られます。
生活習慣の乱れやそれに関連する異常(高血圧、代謝障害)に伴う血管内皮障害、自律神経の亢進、全身または局所の炎症などが過活動膀胱の原因となっています。
また男性の場合は前立腺肥大症、女性の場合は閉経に伴う女性ホルモンの変化、出産後の骨盤底筋の弛緩などが原因として多くみられます。
過活動膀胱への鍼灸治療
過活動膀胱への鍼灸治療は多くの論文が発表されており、過活動膀胱ガイドラインにも2015年から掲載されるようになりました。
まだ西洋医学ではエビデンスレベルは高くありませんが、東洋医学ではたくさんの論文や研究がされており、その効果も高く出ているデータが多くあります。
治療に使われる主なツボ
①中髎(ちゅうりょう)
中髎(ちゅうりょう)は鍼灸では膀胱経という1つのグループの中にあります。中髎は骨盤を構成する仙骨という骨の上にあります。
この中髎の部分は穴が開いており中を自律神経や陰部神経といった神経が通り膀胱へと繋がっています。
このツボに鍼治療をすることで過活動膀胱による頻尿や切迫性尿失禁といった症状が改善されます。
実際の論文では11名の患者の中髎に鍼刺激を行ったところ82%で切迫性尿失禁や尿意切迫感の改善が見られました。
また最大尿意量も増加し排尿の回数が減少したとの報告もあります。
②三陰交(さんいんこう)
先程紹介した中髎(ちゅうりょう)に加えて、三陰交(さんいんこう)というツボへの刺激も切迫性尿失禁、尿意切迫感に効果があるとされています。
三陰交は後脛骨神経という神経が通っており、鍼刺激が後脛骨神経を介して膀胱へ伝わることで症状の改善につながっていると考えられています。
また膀胱は自律神経によって支配されているので2つのツボ以外に自律神経を整えるツボへの刺激を行うことで自律神経のバランスが取れ、過活動膀胱による頻尿や切迫性尿意などの改善を目指します。
頻尿、尿漏れでお悩みの方へ
これらの症状は悩んでいる当人しか辛さが分からないので、なかなか周りへ相談がしにくいという方が多いです。
鍼灸治療は頻尿、尿漏れへの治療として高い成績が報告されています。
治療を重ねることで症状が改善され日常生活の質が向上したという嬉しいお言葉も頂いております。
過活動膀胱による頻尿、夜間頻尿、尿漏れでお悩みの方は一度当院へご相談ください。