つわり(妊娠悪阻)とは
妊娠初期に多くの女性が経験する「つわり」。吐き気や嘔吐、食欲不振、倦怠感などが主な症状であり、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
つわりの程度は個人差が大きく、軽い症状の方もいれば、重度のつわり(妊娠悪阻)に苦しむ方もいます。
つわりの原因は完全には解明されていませんが、ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れが関係していると考えられています。
近年、つわりの軽減を目的として鍼灸治療を受ける妊婦さんが増えています。
原因
1.ホルモンバランスの乱れ
妊娠初期には、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)やエストロゲン、プロゲステロンといったホルモンが急激に増加し、ホルモンバランスが乱れやすくなります。
これが消化器系や自律神経に影響を及ぼし、吐き気や食欲不振を引き起こすと考えられています。
2.自律神経の乱れ
妊娠に伴う身体の変化により、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経がうまく働かず
消化機能の低下や胃のムカつきが生じることがあります。
3.精神的ストレス
妊娠による生活の変化や不安がストレスとなり、つわりの症状を悪化させることがあります。
症状
・吐き気・嘔吐
・食欲不振
・倦怠感
・胸焼け、胃の不快感
・頭痛
・めまい
などがあり、個人差が大きいのが特徴です。
鍼灸治療がつわりに効果的な理由
鍼灸治療は、身体のバランスを整え、自律神経の調整を促すことで、つわりの症状を軽減する効果が期待できます。
・自律神経の調整
鍼灸によって交感神経と副交感神経のバランスを整え、消化器系の機能を回復させます。
吐き気を抑えるツボを刺激することで、胃の不快感を和らげることができます。
・血流の改善
鍼灸は血液循環を促進し、体内の老廃物の排出を助けます。
血流が改善されることで、全身の倦怠感や冷え性が軽減され、体調が整います。
・ホルモンバランスの調整
鍼刺激によってホルモン分泌が安定し、急激なホルモン変化による体調不良が軽減されます。
つわりに効くツボ
内関(ないかん):手首の内側にあるツボで、吐き気や乗り物酔いを軽減する効果があります。
つわりによる胃のムカつきを和らげるため、妊婦さんに頻繁に使われます。
足三里(あしさんり):膝の下、脛の外側に位置するツボで、消化機能を向上させ、胃腸の働きを助けます。
食欲不振や倦怠感の改善に効果的です。
太衝(たいしょう):足の親指と人差し指の間にあるツボで、ストレスを和らげ、自律神経のバランスを整える効果があります。
つわりによるイライラや精神的な不安を軽減します。
中脘(ちゅうかん):みぞおちとおへその中間にあるツボで、胃腸の機能を整えます。
胸焼けや胃の不快感を和らげる効果が期待できます。
まとめ
つわりは妊娠中の多くの女性が経験する症状ですが、鍼灸治療によって症状の軽減が期待できます。
特に、自律神経の調整、血流改善、ホルモンバランスの安定を促すことで、吐き気や食欲不振などの不快な症状を和らげる効果が期待できます。
妊娠中の体調管理はとても重要です。
つわりに悩んでいる方は、安心して受けられる鍼灸治療を選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
当院では、つわりだけでなく妊娠中の腰痛や逆子などにも幅広く対応しております。
妊娠中のお身体、ストレスはひとりで悩まず、当院にご相談ください。