60代女性 両膝が変形し膝が完全に伸びない状態。
数年前から膝に痛みが出るようになった。
最初は右膝だけだったが徐々に左も痛みが出るようになり、病院でレントゲンを撮った結果両側の変形性膝関節症と診断を受けた。
テニスが趣味でアマチュアの全国大会出場を目指しているほど本格的にプレーをしていたが、
慢性的な膝の痛みと膝が伸び切らないことにより腰痛も頻繁に出るようになってしまったため試合出場を見送ったり、練習も休むことが増えてしまった。
この膝の痛みと腰痛をどうにかしたいということで鍼灸治療を受診されました。
お体の状態
両側の膝が完全に伸び切らず、仰向けの状態で膝裏がベッドから指2本ほど(約3センチ)浮いている状態。
膝が伸びない状態が数年続いているので太もも前の筋肉(大腿四頭筋)も萎縮し筋力が著しく低下。
反り腰が強く、その影響で腸腰筋が使えず、お尻の横の筋肉(大腿筋膜張筋)がかなり硬くなっている。
腸腰筋が使えないことで歩行時にふくらはぎの筋肉を過剰に使うので腓腹筋もかなり硬くなっている。
変形性膝関節症の方は通常、膝関節を曲げる動作も制限がかかるがこの方は屈曲動作に関しては正常に可動域が保たれていました。
このことからまずは膝の伸展の制限となっている太もも裏の筋肉とふくらはぎの筋肉を緩める治療と、
膝のお皿(膝蓋骨)の動きを良くするためにお皿の周りの軟部組織へと鍼灸治療を行いました。
太もも裏とふくらはぎ、お皿の動きを改善させたあと、反り腰への治療で大腿筋膜張筋への治療も行い姿勢改善も目指しました。
経過
1回目
腰痛はかなり楽になった。この日は腰メインに治療したため膝は大きく変化なし。
2回目
本格的に膝の治療スタート。
治療後立ってもらうと膝が少し伸びた感じがした。
3~5回目
治療後は膝が伸びるようになりベッドから指2本隙間が空いていたのが1本に減少。
テニスの大会も何とか出場できた。
6~10回目
今までテニス後はふくらはぎや腰が痛くなっていたが痛みが出なくなった。
テーピングをしなくてもプレーができるようになってきた。
11~15回目
テニス中の膝の痛みはほぼ出ることがなくなった。
今後は試合や練習後のケアとしてメンテナンスしていく。