変形性膝関節症の状態
変形性膝関節症は病院では基本、Kellgren-Lawrence分類(通称K-L分類)でどの程度変形が進行しているのかを判断していきます。
図の左側が正常の膝関節で関節の隙間も適切に保たれています。それが右側に行くにつれて変形の具合が進行し、関節の隙間もなくなってしまいます。
一番右のグレード4まで進行してしまうと膝の曲げ伸ばしにかなりの制限がかかり強い痛みも伴います。
ここまで変形してしまった方は手術で人工関節にしてしまった方が楽になる場合も多いので場合によっては大きい病院への受診をお伝えします。
早期の段階で治療を開始できると変形の進行を抑えることができ、手術をしなくても痛みを改善させることができます。
膝関節周囲が痛くなる原因
変形性膝関節症と聞くとイメージするのは「O脚」が多いのではないでしょうか?
もちろん変形性膝関節症といえばほとんどの方が内反変形(O脚)になっています。
しかし痛みの原因はO脚が一番ではありません。
膝関節周囲に痛みを発生させる一番の原因は膝関節の捻じれです。
一体どういうことかというと、膝関節は大腿骨と膝蓋骨、脛骨で構成されており、正常の方は大腿骨の向きと脛骨の向きが大体同じ方向を向いています。
しかし膝に何かしらの不調を抱えている方は脛骨が大腿骨に対して外に捻じれます。
そうすると膝の内側についている筋肉や、膝蓋骨周りの組織にかなりのストレスがかかります。
このストレス下の中で長時間の歩行をしたりすると組織内で摩擦が生じ、やがて炎症を起こして痛みを引き起こします。
膝の捻じれを治すには?
膝の捻じれには太ももの裏の筋肉、大腿二頭筋が大きく関与しています。
まずはその筋肉を柔らかくするよう鍼灸治療をします。
それだけでも痛みは改善できますが、全体の姿勢を良くしないとまた悪くなってしまうので腰やふくらはぎといった部分も治療していきます。
腰や股関節、足首の動きが良くなると歩いたり、階段の昇り降りでの痛みがかなり楽になります。
膝関節の治療は局所だけでなく、全体を診ていくことがとても大事になります。
膝に痛みを感じたらすぐに治療を
膝に痛みや違和感を感じたらすぐに治療を受けることをお勧めします。
痛みや違和感といった体からの信号を無視してしまうと気付いたときには手遅れだったという状態になります。
手術も治療の選択肢の一つですが、手術後のリハビリが大変だったり、可能な動作が限られてしまいます。できれば手術をしないで治せるのが一番です。
変形の初期であれば充分間に合います。
膝に痛み違和感を感じたらすぐにご相談ください。