五十肩とは?
五十肩とは医学的には「肩関節周囲炎」と言われ五十代の方に多く発症することから五十肩と呼ばれるようになりました。
五十肩は簡単に言うと、肩関節周囲の筋肉や軟部組織などに炎症が起こり痛みや可動域制限が起こる病気のことです。
原因は不明、もしくは加齢に伴うものとされています。
何も治療をしなくても約2年ほどで多くの方が治癒するとされていますが、適切な治療を受けることでその期間をグッと短くすることができます。
そこで大切になってくるのが「今の状態はどの時期なのか」をちゃんと把握することです。
ここを分かっていないと、炎症が強く安静にした方がいい時期に無理に動かして悪化した。
動かした方がいい時期なのに過度に安静にし過ぎて可動域制限が強く出てしまった、、
というようなことが起きてしまいます。
今回は五十肩の病期についてお伝えをしていきます。
五十肩のおもな症状
・肩を動かすと痛みが走る。
・服を着替えるときに痛みが走る。
・下着の着脱が困難。
・夜中、肩の痛みで目が覚める。
・急に腕を動かすと激痛が走る。
・後ろに手が回らない。
・高いものが取れない。
五十肩の症状が続くと、腕や肩の可動域が制限され、多くの方が日常生活に支障をきたしてしまいます。
五十肩の3つの病期
五十肩には治るまでの間に3つの期間があります。
①炎症期
②拘縮期
③回復期
これらの期間を把握し適切に対処することで治るまでの期間が短くなります。
炎症期
炎症期は五十肩の初期に見られ、発症から約1~2か月とされています。
この時期は炎症による痛みが強く、じっとしていても痛い、肩を少し動かしただけでも痛い、夜寝る時に痛い(夜間痛)などがおもな症状となります。
この時期に大切なことは「肩をできるだけ安静にし炎症を早く抑えること」です。
逆に無理をして肩を動かしてしまうと、炎症が長引いてしまいその後の拘縮期も長引いてなかなか治りずらくなってしまいます。
拘縮期
拘縮期は肩の炎症が治まり痛みは少ないけど可動域制限が強く現れる時期になります。
この時期に入ると積極的に肩を動かして可動域を少しずつ回復させます。
ただこの時期は「ケガをした後にかさぶたができた状態」に例えられ、痛みを我慢しながら無理して動かしてしまうとかさぶたが剥がれ強い痛みをぶり返してしまうので注意が必要です。
回復期
回復期に入ると痛みが出ることもかなり少なくなりあと少しで治るというところまで来ます。
この時期に入るとリハビリや治療の効果も感じやすくどんどん動きが良くなっていくのが実感しやすくなります。
鍼灸での治療法
鍼灸治療は五十肩の治療ととても相性が良いです。
「炎症期」で炎症が強く夜間痛が出ている方は、患部にお灸や優しい鍼をすることで炎症を早く抑えることができます。また自律神経を整えることで痛みを緩和させることもできます。
「拘縮期」では肩関節のインナーマッスルと言われる筋肉に鍼を刺し電気を流すことで筋肉の血流を良くし、動かしやすくなります。この筋肉は手では届きにくい深いところにあったりもするので鍼を使うことで確実にアプローチができます。
「回復期」に入ると肩のインナーマッスルだけでなく背骨や背中の大きい筋肉などに鍼を刺し動きを良くすることで肩が最後まで上がるようになります。
まとめ
五十肩は病期を理解することで痛みや可動域制限を早くさせることができます。
また鍼灸治療を通じて自律神経を整えたりすることで、肩の緊張を緩和し、五十肩の早期改善が期待できます。五十肩の症状にお悩みの方は、ぜひ吉祥寺αはりきゅう院にご相談ください。