食いしばりの種類
・無意識の歯ぎしり(ブラキシズム)
寝ている間に無意識に歯をこすり合わせたり、強くかみしめる現象です。ストレスや生活習慣による影響が大きく関与しています。軽度であれば治療は不要ですが、重度の場合は歯や顎に負担がかかり、頭痛や顎関節症などの問題を引き起こすことがあります。
・日中の食いしばり
仕事や家事中に無意識に歯を食いしばる人も多く、日中の食いしばりは日常生活のストレスや集中しているときに発生しやすいです。このタイプは気づかないうちに慢性化し、首や肩の筋肉にも負担をかけることがあります。
食いしばりは現代病の1つ?
食いしばりや歯ぎしりは「現代病」の1つとも言われ、生活環境の変化、仕事のストレス、長時間のスマートフォンやパソコンの使用などが要因となります。これにより、顎の筋肉が緊張し、食いしばりの頻度が増すことがあります。放置すると歯や顎の健康に悪影響を及ぼし、場合によっては歯の摩耗、歯周病の進行、顎関節の痛みなどが発生します。
考えられる要因
・ストレスや精神的負荷
日常生活で感じるストレスが、無意識の食いしばりを誘発する大きな要因です。精神的に緊張しているときや、仕事で集中しているときに歯を食いしばる癖がつくことがあります。
・生活習慣の乱れ
不規則な生活リズムや長時間の電子機器使用が体にストレスを与え、自律神経を乱します。これにより、夜間の歯ぎしりや日中の食いしばりが増加することがあります。
・筋肉の過緊張
咀嚼筋や顎周りの筋肉が過緊張状態になると、食いしばりが生じやすくなります。これは長時間のパソコン作業やスマートフォン使用時にうつむき姿勢が続くことが原因であることが多いです。
・心身のバランス
心身の健康が不安定なとき、交感神経が優位に働き、身体が常に緊張状態に陥ることがあります。これが食いしばりや歯ぎしりを引き起こします。
東洋医学的には
東洋医学では、「腎」「肝」「脾」のバランスの乱れが食いしばりと関係があると考えられています。
「腎」
腎は身体の根本的なエネルギーを蓄える場所で、骨や歯とも関連があります。腎の働きが弱まると、歯や顎が影響を受け、食いしばりが生じることがあります。
「肝」
肝はストレスの影響を受けやすく、気の巡りを調節しています。肝の機能が低下すると、ストレスの解消がうまくできず、顎の筋肉が緊張し、食いしばりが発生しやすくなります。
「脾」
脾は消化吸収や栄養供給に関わり、身体の気力を補っています。脾の働きが低下すると、身体全体の疲労感が増し、筋肉の緊張が取れにくくなります。
当院での治療
当院では、鍼灸による自律神経の調整を通じて、顎や筋肉の緊張を和らげ、ストレス軽減を目指します。鍼灸治療は血行を促進し、筋肉の過緊張を解消することができ、自然治癒力を高める効果が期待されます。特に「腎」「肝」「脾」に働きかけるツボを用いて、全身のバランスを整えます。これにより、顎関節や咀嚼筋の緊張が軽減され、食いしばりの根本的な改善を目指します。
自宅でできる改善法
・リラックスする習慣
ストレス軽減には、趣味の時間を確保し、リラックスできる環境を作ることが大切です。音楽を聴いたり、アロマを使用したりすることで、交感神経の働きを抑えることができます。
・筋肉のストレッチ
顔や首のストレッチを定期的に行うと、咀嚼筋や顎周りの筋肉の緊張をほぐすことができます。特に寝る前に顎のマッサージをすることで、リラックスした状態で睡眠に入ることができます。
・食事の改善
バランスの取れた食事は自律神経を整え、筋肉の疲労回復を促します。ビタミンB群やマグネシウムが豊富な食材は、筋肉の緊張を和らげる効果があります。
・就寝前の電子機器使用を控える
ブルーライトは脳を覚醒させるため、就寝前はスマホやパソコンの使用を避けましょう。規則正しい生活リズムを維持することも大切です。
・深呼吸や腹式呼吸
深い呼吸は副交感神経を活性化させ、体をリラックスさせます。特に腹式呼吸は、心身を落ち着かせる効果があります。
まとめ
食いしばりは、日常生活のストレスや生活習慣の乱れが関与することが多い症状です。鍼灸治療を通じて自律神経を整えることで、筋肉の緊張を緩和し、食いしばりを根本的に改善することが期待できます。
食いしばりでお困りの方は是非当院へご相談ください。