夜尿症とは
夜尿症は睡眠中の尿漏れという症状のことで、一般的には「おねしょ」と呼ばれています。
夜尿症は子どもだけでなく、大人にも存在する症状です。
子どもの夜尿症は排尿に関する機能が未発達で起こっているケースが多く、
成長とともにほとんどが自然解消に向かいます。
一方、大人の夜尿症には深刻な疾患が隠れている場合があるため、
泌尿器科を受診して原因を確かめ、適切な治療を受けることが重要です。
大人の夜尿症には、子どものころから継続している一次性夜尿症と、
大人になってから起こる二次性夜尿症があります。
大人の夜尿症は誰にでも起こる可能性がある症状ですし、
泌尿器科で適切な治療を受けることで治すことができます。
症状
①睡眠中に無意識に排尿してしまう
②夜間の頻尿
③睡眠の質の低下
④日中の不安やストレス
原因
加齢
直腸や膀胱などの臓器を支えている骨盤底筋という筋肉が加齢によってゆるむことで、
尿漏れを起こしやすくなります。
女性は妊娠・出産で骨盤底筋にダメージを受けることが多く、
尿道も短いため尿漏れを起こしやすい傾向があります。
また、睡眠中に尿意で目が覚めても、加齢で動きが遅くなっていて
トイレまで間に合わないというケースもあります。
自律神経の乱れ
自律神経は、呼吸など無意識に働く機能をコントロールしています。
膀胱や尿道も自律神経がコントロールしています。
寝ている間は自律神経が膀胱の緊張をゆるませて1.5倍程度の尿をためられるようにしていると
されていますが、自律神経の不調によりこうしたコントロールがうまくできなくなると
尿を少ししかためられなくなって尿漏れを起こしやすくなります。
心配や不安などの強いストレスや生活習慣の乱れなどによって、
自律神経が乱れるとさまざまな症状を起こすことがあり、尿漏れや夜尿症もそうした症状のひとつです
睡眠障害
質の良い睡眠では、抗利尿ホルモンが分泌されて尿量が抑えられるため、
長時間の熟睡が可能になります。
寝つきが悪い、すぐ目覚めてしまう、眠りが浅いといった睡眠障害があると
抗利尿ホルモンの分泌量が減少して睡眠中に膀胱にたまる尿量が通常より多くなってしまい、
尿漏れを起こしやすくなります。
生活習慣
習慣や環境も尿漏れやおねしょといった症状に大きく関係しています。
たとえば、就寝時間が一定してないため質の良い睡眠をとれない、
寝酒を飲まないと眠れない、寝ている間に寝具をはいで冷えてしまうなどが続くと、
尿漏れやおねしょを起こしやすくなります。
睡眠中に尿意を感じて目覚める回数が増えた、
トイレにまつわる夢をよく見るようになるなどがある場合は、
尿漏れやおねしょにつながりやすいため注意が必要です。
東洋医学的な考え方
中医学では、夜尿症の原因を「腎気虚」と考えます。
これは、腎(排尿を司る役割を持つ)の機能が低下し、
膀胱のコントロールが不十分になると考えられています。
これにより、夜間に無意識に排尿してしまう症状が現れるとされています。
当院での鍼灸治療
自律神経の調整
自律神経のバランスを整えることで、膀胱の過敏反応を抑制し、
ストレスの影響を軽減します。
鍼灸治療により、全身のリラックスを促進し、膀胱機能の改善を目指します。
腹部や腰へのアプローチ
腹部や腰に直接鍼を施し、血流を促進することで、膀胱の機能を改善します。
膀胱の正常化を図り、症状の緩和が期待されます。
お灸の治療で温めることも大切で、症状改善につながります。
足周りへのアプローチ
足の内側には腎経のツボがあります。
腎経へアプローチすることで膀胱や水分代謝の改善、
足の筋肉を緩めることで全身の緊張を緩めていきます。
全身の血流の促進
血液循環を改善することで、腎と膀胱への栄養供給を助け、
機能を整えます。これにより、夜尿症の症状を軽減します。
まとめ
鍼灸治療によって、夜尿症の症状を緩和し、膀胱や腎の機能を正常化することができます。
自律神経の調整から始まり、腹部や腰、全身の血流促進、筋肉の緩和を通じて、
症状の改善を目指します。
鍼灸治療を取り入れて、夜尿症の症状を和らげ、快適な生活を取り戻しましょう。
お困りの方は是非ご相談ください。