寝汗とは
寝汗とは、過度なストレスによって、交感神経と副交感神経の切り替えがうまく行かず、自律神経の乱れが生じ、睡眠中の体温調節が困難になり、ひどい寝汗をかくことが考えられます。
また、ホルモンバランスの乱れも原因として考えられます。
たとえば、加齢や閉経によってホルモンバランスが乱れ、さまざまな症状があらわれる更年期障害のひとつの症状に「多汗」があります。
汗ってなに?
汗は、緊張したときや、辛いもの、熱いものを食べたとき、運動しているときなどさまざまな場面ででてくることがあります。
汗がでてくる汗腺には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があります。
〈エクリン汗腺〉
エクリン汗腺は、全身の真皮内に存在しており、顔や手足、脇下に多く存在します。
エクリン汗腺は、体温が上昇したときに体温を下げるためにでてくる汗です。
これを司っているのが交感神経です。交感神経とは、自律神経のひとつで身体を活発に働かせる神経です。
体温が上昇すると、脳の視床下部にある体温調整中枢が交感神経を介してエクリン汗腺に伝わり、発汗させます。
寝汗などの汗に関わってくるのがこのエクリン汗腺といえます。
〈アポクリン汗腺〉
アポクリン汗腺は、エクリン汗腺とは少しちがい匂いのある汗をだします。
この汗腺は、脇下に多く、陰部前面、肛門、乳首、耳の中にも存在しています。
東洋医学的には
陰虚(いんきょ)
東洋医学では、寝汗のことを「盗汗」とよびます。
盗汗は「陰虚」の症状と考えられており、陰虚とは体の「陰」が消耗することにより、「陽」である熱を抑えきれなくなることで、汗をかくと考えられております。
陰虚で特徴的なのは、盗汗のほかに手足や胸のほてりがあります。
場合によっては、夢をよくみたり、不眠といった「心」の症状を伴うことがあります。
身体の陰陽がバランスよくとれていることで、体内の熱と冷のバランスがとれます。
気虚(ききょ)
東洋医学的に汗をみると「津液」という物質が変化したものと考えられており、「衛気」によって分泌が調整されております。
衛気とは、皮膚や鼻、気管支などの粘膜を強化し、免疫力を整え、外的刺激から体を守る気のことをいいます。
体表からやってくる「邪気」の侵入を防ぐ役割もあり、邪気とはウイルスや細菌、ほこりなどのことをいいます。
不規則な生活、運動不足、過度なストレスがあると、衛気の機能が失調しているので「気虚」となります。
気虚とは気が少なくなり、不足している状態です。
気虚の症状は、以下のとおりです。
・疲れやすく、元気がでない
・風邪をひきやすい
・気分が落ち込みやすい、やる気がでない
・食欲がない、消化が悪い
・手足が冷えやすい
・汗をかきやすい
・皮膚の症状がでやすい
鍼灸では、「陰虚」と「気虚」にアプローチしていくために、全身の経絡や経穴をつかって治療していきます。
当院の治療について
当院では、自律神経測定器で自律神経の状態を把握してから治療にはいります。
自律神経とは、交感神経と副交感神経のことをいい、自分の意思とは関係なく働いております。
自律神経は、血液の流れや内臓の働き、各器官などさまざまな働きを司っております。
その他自律神経は、ホルモンバランスの調整も行っております。
ホルモンバランスの乱れは、汗の原因にもなると考えられており、特に過度なストレスによる交感神経の活動が優位になっている状態だと症状がでやすいです。
自律神経を整えていくことで、身体のバランスも整っていきます。
ぜひ当院の治療をお試しください。