テニス肘とは
テニス肘とは、テニスやバドミントンなどのラケットスポーツにおけるストロークやサーブによって、肘関節周囲に痛みを生じる疾患をいいます。
テニス肘は痛みの生じる部位によって、外側型と内側型に分類されています。
外側型テニス肘は、バックハンドストローク時に肘外側に痛みが生じ、上腕骨外側上顆に起始する「長・短橈側手根伸筋」「総指伸筋」が原因となることから「上腕骨外側上顆炎」とも呼ばれています。
テニス肘の大半は外側型テニス肘です。
内側型テニス肘は、フォアハンドストロークやサーブ時に肘内側に痛みが生じ、上腕骨内側上顆に起始する前腕回内屈筋郡の「円回内筋」が主に原因となることから「上腕骨内側上顆炎」とも呼ばれています。
症状について
外側型テニス肘の症状は、主に上腕骨外側上顆周辺の痛みであるが、前腕伸筋群である「長・短橈側手根伸筋」「総指伸筋」に沿って前腕遠位まで痛みが生じることがあります。
頭骨頭や外側関節裂隙には痛みがないことが多いです。
テニスだけではなく、日常生活において手関節の動きを伴う動作の制限や、前腕回内位で物を持ち上げた際に痛みがでます。
内側型テニス肘の症状は、主に上腕骨内側上顆周辺の痛みであるが、前腕屈筋群である「円回内筋」に沿って前腕遠位まで痛みがでます。
どちらの場合も、オーバーユースにより繰り返し酷使することで、筋肉や腱の繊維が細かい断裂が発生して、炎症を引き起こし痛みだします。
東洋医学的には
肘の痛みを東洋医学的に考えてみますと、気血が滞り、気血の運行がスムーズにいっておらず痛みやしびれを引き起こしていると考えます。
外側型テニス肘は、東洋医学でいう「大腸経」に沿って痛みがでてきます。
内側型テニス肘は、「小腸経」「心経」に沿って痛みがでてきます。
外側型では「大腸」、内側型では「小腸」「心」に何らかの不調が現れていると考えているため、こちらの経絡上にあるツボも一緒につかっていくことで、体内に流れている気血の運行が向上し、身体が整っていきます。
当院の治療について
自律神経とは無意識に身体全体をコントロールしています。
自律神経のバランスが乱れますと血流が悪くなったり、痛みが強くなったりします。
当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握してから施術いたします。
痛みによって、交感神経が優位で緊張状態にある場合があるため、その際はお腹や頭といった部位にも鍼をしてリラックスできる身体にしていきます。
テニス肘では、手首や肩周辺の筋肉が固く血流が悪い状態が多く見られます。
そして肘付近の血流が滞り、それが痛みやしびれの原因として考えられます。
そのため、肘だけでなくて手首や肩周りもしっかり緩めていく治療をしていきます。
肘付近では、上腕骨外側上顆に付着する筋肉「長橈側手根伸筋」「短橈側手根伸筋」「総指伸筋」は、東洋医学でいう「大腸経」にあり大腸経のツボをつかいます。
上腕骨内側上顆に付着する筋肉「円回内筋」では、「小腸経」「心経」のツボをつかい、気血の疎通を促します。
テニス肘に関連するツボとして以下のようなものがあります。
曲池:肘を曲げたときのしわの外側にあります。テニス肘の症状の特効穴で、痛みを和らげるために刺激していきます。
手三里:長・短橈側手根伸筋上にあるツボです。こちらの場所は張っていることが多いのでしっかり緩めていきます。
肩貞:背中側の脇の下付近にあります。肩周辺を緩めるのにおすすめのツボです。
合谷:手背の人差し指と親指の交差する場所にあります。万能のツボといわれており、肘、肩の痛みだけでなく顔や歯痛にもつかわれます。