食いしばりとは?
夜寝ているときに、顎に非常に強い力がかかることを「食いしばり」といいます。
食いしばりは、口が開けにくくなったり、顎に痛みがでたりします。また、それが頭痛・肩こり・めまいの症状もでてきやすくなります。
食いしばりと副腎皮質ホルモンの関係性
副腎とは
副腎とは、左右の副腎の上にのっているとても小さい臓器です。
・血圧、脈拍を調整するアドレナリン、ノルアドレナリンというホルモンを分泌します。
・血圧の上昇、血中の糖や脂肪分を調整するコルチゾールというホルモンを分泌します。
強いストレスが長期間続くと、副腎は正常な働きができなくなってしまいます。
副腎が正常に働かないことで身体に影響を及ぼします。
コルチゾールが分泌されないと
副腎が働いていないと、コルチゾールの低下します。
コルチゾールがうまく働いていないと、寝付けない、朝すっきり起きられない、アレルギー症状、免疫力低下、低血糖、記憶障害など引き起こします。
短期間のストレスですとコルチゾールは分泌されますが、長期間の強いストレス状態が続くと、副腎からコルチゾールが分泌されなくなります。
コルチゾールは通常ですと、日中低く、夜間・明け方に高くなります。
ストレスで夜間コルチゾールが分泌されなくなると、血糖が下がり、アドレナリンが放出されます。
夜間にアドレナリンがでることで、睡眠の質が低下し食いしばりにつながります。
食いしばりの原因
就寝時は、副交感神経優位でリラックスした状態ですが、アドレナリンがでることで交感神経優位な状態になります。
就寝時にアドレナリンが出続けると浅い眠りを引き起こし、食いしばりにつながります。
それに伴い、食べ物を咬む筋肉(咬筋)が動いて歯ぎしりをしてしまいます。
東洋医学的観点
食いしばりは東洋医学の五臓六腑からみて【肝】と深い関係があります。
肝は全身の気を調整する疏泄作用があり主に気を上昇させます。ストレスが加わり、疏泄作用がうまく働かないと、イライラや怒り、情緒不安定な面も現れます。
また肝は、五体の【筋】と深く関わり、肝の働きが高ぶりすぎると筋肉のけいれん、しびれ、筋肉が固くなったり、引きつれたりして痛むことがあります。
このように肝の異常で筋に症状が現れた結果が食いしばりにつながります。
東洋医学の基本的な考え方は、人と自然・環境などとの調和と統一性を重視するもので、身体のバランスを整えることで症状の改善を目指します。
食いしばりの症状のある方は、首が特に凝りやすいです。首コリも一緒にとっていくことでバランスの良い身体に導きます。
食いしばりに効くツボ
【天窓】
首コリの原因である胸鎖乳突筋の上でのどぼとけと同じ高さにあります。
胸鎖乳突筋は首を回旋すると頸部に浮き出てくる筋肉です。
【肩井】
肩コリの原因である僧帽筋の上で肩上部の真ん中にあるツボです。
肩コリの特効穴といわれ、食いしばりによる頭痛にも効果的といわれています。
【頬車】
下顎角の斜め上にあるツボです。
食べ物を咀嚼する咬筋の上にあります。食いしばりの症状がある方によく緊張感がみられます。
当院の治療について
鍼灸は自律神経を調整するのにとても優れており、ストレスや筋肉の緊張を緩和させることができます。
自律神経は交感神経と副交感神経に分かれており、交感神経は日中の活動時に活発に働く神経で、副交感神経は夕方以降にリラックスするときに働く神経です。
ストレスや疲労がたまっていると、自律神経がうまく働かず身体の不調が現れていきます。
当院では、自律神経を調整するために全身にアプローチしていきながら、顎周りの治療も一緒にしていきます。
特に首肩コリがあると顎周りの血流も悪くなってしまうので、「天窓」や「肩井」を刺激して血流の改善をしていきます。
また、顎周りのツボである「頬車」を刺激して顎の筋肉を緩めます。
鍼灸は身体にあるツボに鍼や灸を行うことで、症状の改善や全身の血流を改善できます。
鍼灸治療は極めて副作用が少ない治療法です。
ぜひ吉祥寺αはりきゅう院へお越しください。