そもそも『自律神経』ってなに!?
自律神経とは…
自律神経は、身体の様々な機能を自動的に調整する神経の一種です。
身体が生きていくためには、呼吸や心臓の動き、消化など、さまざまな機能が正しく働く必要があります。
このような機能を調整するのが自律神経です。
自律神経は、大きく分けて「交感神経」と「副交感神経」に分かれます。
これらの神経は、お互いにバランスを保ちながら身体の様々な機能を調整します。
「交感神経」は…
身体を活発にさせたり、緊張したりするときに働きます。
例えば、運動をするときや、怖いと感じたり緊張したりするときに、交感神経が活動しています。
「副交感神経」は…
リラックスしたり、休息したりするときに働きます。
例えば、食事を楽しんだり、リラックスしたりするときに、副交感神経が活発になります。
このように、自律神経は身体の機能をバランスよく調整し、私たちの生活をサポートしています。
しかし、時にはストレスや疲れなどの影響で、自律神経のバランスが崩れることがあります。
そのような状態が自律神経失調症です。
自律神経失調症の特徴的な症状は…
《交感神経と副交感神経の不均衡》
自律神経失調症では、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることがあります。
この不均衡によって、様々な症状が引き起こされる可能性があります。
その一例を以下に挙げていきます
【循環器系の症状】
心拍数の変動、血圧の変動、動悸、めまい、頻脈などの循環器系の症状が現れることがあります。
【消化器系の症状】
胃の不快感、食欲不振、下痢、便秘、消化不良などの消化器系の症状が見られることがあります。
【神経系の症状】
頭痛、めまい、神経過敏、集中力の低下、不安、うつ、ストレスなどの神経系の症状が現れることがあります。
【その他の症状】
寒気やほてり、手や足のしびれ、筋肉のこわばり、過度の汗、睡眠障害など、さまざまな症状が発生することがあります。
自律神経失調症かな?と思ったら…
自律神経失調症のセルフケアや改善に役立つ方法の一例です
【ストレス管理】
ストレスを軽減するために、リラクゼーション法や呼吸法などのストレス管理テクニックを学び、実践することも効果的です。
マインドフルネス瞑想やヨガなどもおすすめです。
【規則正しい生活リズム】
睡眠や食事、運動などの生活リズムを整えることが大切です。
規則正しい生活リズムは自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
【適切な睡眠】
十分な睡眠を確保することが重要です。
良質な睡眠は自律神経のバランスを整え、身体の回復を促進します。
【バランスの取れた食事】
栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
過剰なカフェインや砂糖の摂取は避け、新鮮な果物や野菜、良質なタンパク質を摂取するようにします。
【適度な運動】
適度な運動はストレスを軽減し、自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。
ウォーキングやヨガ、水泳などの穏やかな運動がおすすめです。
【リラックスする時間の確保】
毎日少なくとも数分間、リラックスする時間を確保しましょう。
読書、音楽鑑賞、ハイキングなど、個々の好みに合ったリラックス方法を見つけると良いでしょう。
【自己ケア】
自己ケアは自律神経失調症の管理に役立ちます。自分を労り、自分自身に注意を払うことが重要です。
マッサージやアロマセラピーなどのリラクゼーション技法も試してみてはいかがでしょう。
【専門家の相談】
症状が重い場合やセルフケアだけでは改善しない場合は、専門家の医師やカウンセラーに相談してください。
専門家は適切な治療法やアドバイスを提供してくれるでしょう。
自律神経失調症に効く鍼灸治療
自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、様々な症状を引き起こす状態です。
鍼灸治療が自律神経失調症に効果的であることは、以下の点に基づいています。
鍼灸治療が自律神経失調症に対する作用
【神経調整の役割】
鍼灸は、経絡やツボと呼ばれる特定の部位に針を刺すことで、神経系や体のエネルギーの流れを調整すると考えられています。
これにより、交感神経と副交感神経のバランスを整え、自律神経の機能を正常化する効果が期待されます。
【ストレス緩和】
自律神経失調症の原因の一つはストレスです。
鍼灸治療は、リラクゼーション効果をもたらし、ストレスを軽減することが知られています。
これにより、交感神経が過剰に活性化する状態を和らげ、自律神経のバランスを取り戻す手助けをします。
【血流改善】
鍼灸によって、血液やリンパの流れが改善されると考えられています。
良好な血流は、身体の機能を正常に保つために重要であり、自律神経のバランスを整える一助となります。
気の巡りの改善が自律神経を整える理論は、東洋医学の考え方に基づいています。
東洋医学では、気(エネルギー)が体内を流れることで健康を保つと考えられています。
気の滞りや不足があると、身体の調子が崩れ、病気や不調の原因となるとされています。
自律神経失調症に当院でする鍼灸治療方法は…
鍼灸治療を施すことにより、まず全身の調整を図り自律神経のバランスを整えます。
施術前に自律神経測定器を用いて、各々の自律神経の状態を把握してから施術します。
これにより、患者さんそれぞれのお身体の状態に合った施術ができ、個別性に合った施術効果が期待できます。
当院の鍼灸治療による自律神経失調症の施術目的は、西洋医学とは異なる東洋医学の観点により少しでも自律神経失調症が回復できる機会を提供することです。
自律神経失調症では、日常生活の活動が重要となってきます。
施術後の日常生活の注意点などもしっかりとサポートして患者さんと共に症状改善に努めます。
東洋医学的に診た自律神経失調症
東洋医学では症状を局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、自律神経失調症などの全身性の症状を施術するのに適しています。
自律神経失調症は東洋医学的に見ると「気」の不足や「気」の作用不足、「気」流れの滞り、
が原因で発症すると考えられるので、鍼や灸を用いてツボを刺激することで「気」を補ったり、「気」の流れの滞りを解消させるように促します。
その他自律神経失調症の患者さんでは頭痛、肩こり、慢性的な痛み、めまいなどを訴える方が少なくありません。
そういった患者さんには頭痛、肩こりやめまいの解消、痛みの緩和を目的とした治療も並行して行っていきます。