眼精疲労って?
眼精疲労は、長時間の視覚作業やコンピューター画面、スマートフォンの利用などが原因で発生する症状であり、主に目の不快感や視力の低下、頭痛などが現れます。
これは、眼の筋肉の疲労や目の使用に関連する眼球の異常な動きが原因とされています。
眼精疲労が発生する主なメカニズム
【眼球の筋肉の疲労】
視覚作業や画面を見続けることで、眼球の焦点を合わせるために使われる筋肉が疲労します。
長時間同じ方向を見続けることで、特に近くの対象を見る際に使われる毛様体筋や、焦点を合わせるための瞳孔の調整を担当する睫状体筋などが疲弊しやすくなります。
【ブルーライトの影響】
デジタルデバイスから放出されるブルーライトは、目の網膜に対して刺激を与え、眼球の疲労感を増加させる可能性があります。
これが眼精疲労の一因と考えられています。
【点滅の少なさ】
デジタルデバイスの画面や蛍光灯の光は点滅が少ないため、目の疲労が蓄積しやすくなります。
通常、自然な環境では点滅が目にとって良いリフレッシュ効果をもたらしますが、デジタルデバイスや人工光源では点滅が少ないため、疲れがたまりやすくなります。
【過度な視力の集中】
長時間にわたって近くの対象に視線を集中することは、眼球の調節機能を酷使し、疲労感を引き起こすことがあります。
これらの要因が複合的に影響し、眼球の疲労や不快感、頭痛といった症状が生じることがあります。
眼精疲労の症状
【目の疲れ】
眼球やその周囲の筋肉の疲労感があります。
これは目が乾燥していたり、こりや痛みを感じることがあります。
【視力の低下】
長時間の近視作業やコンピューター画面を見続けることで、視力が一時的に低下することがあります。
特に遠くを見るときに焦点が合いにくく感じることがあります。
【頭痛】
眼精疲労が進行すると、頭痛が発生することがあります。
特に眉間や頭の後ろ、側頭部などが痛むことがあります。
【光の感受性】
強い光や明るい環境への感受性が増し、まぶしさを感じることがあります。
【まぶたのピクピクやけいれん】
目の疲労やストレスにより、まぶたがピクピクと痙攣することがあります。
【乾燥感】
長時間画面を見続けることでまばたきが減少し、目の表面が乾燥して乾燥感を感じることがあります。
【視点の固定感】
特に長時間デジタルデバイスの画面を見続けた後、視点が固定されたような感覚が生じることがあります。
眼精疲労の対策
【20-20-20の法則】
長時間の視覚作業やデジタルデバイスの使用後、20分ごとに20秒間、20フィート(約6メートル)離れた場所を見るという「20-20-20の法則」を実践してください。
これにより眼球の緊張が和らぎます。
【定期的な休憩】
長時間のデジタル画面の使用後には、10分ごとに数分の休憩を挟むよう心がけましょう。
休憩中は遠くを見たり、まばたきを増やすことで眼球の疲労が軽減されます。
【画面の位置と明るさの調整】
画面は目の高さに合わせ、十分な明るさで設定します。
また、画面の明るさは周囲の照明と調和させ、まぶしさを軽減します。
【ブルーライト対策】
ブルーライトの過度な影響を緩和するために、デジタルデバイス用のブルーライトカットの眼鏡や、デバイスの設定でブルーライトの量を調整することがあります。
【まばたきの増加】
画面を見ながらまばたきが減少することがありますが、まばたきは目を保湿し、乾燥感を和らげます。
意識的にまばたきを増やすよう心がけましょう。
【点眼液の使用】
画面作業中に目が乾燥しやすい場合は、人工涙液を使用して目を保湿すると良いです。
【視力検査】
定期的な視力検査を受け、必要に応じて適切なメガネやコンタクトレンズを使用します。
【適切な照明】
自然光が得られる環境が理想的ですが、それが難しい場合は、柔らかい照明を使用し、画面の反射やまぶしさを軽減します。
眼精疲労にする当院での鍼灸治療
眼精疲労は、東洋医学の視点からは体内のエネルギー「気」や「血液」の流れ、臓腑のバランスが整うことで眼球の疲労感や不快感が緩和されると考えられています。
また、筋肉的な緊張の緩和や、血流を良くすることで疲労の軽減を図っていきます。
【足三里】
膝の下3指分下にある足三里は、体全体の元気をアップさせ、血行を促進する効果があります。
眼精疲労に対しても全身のエネルギー循環を改善し、眼球の疲労感を軽減すると考えられています。
【太陽穴】
両眼の外側、こめかみにあたる太陽穴は、頭痛や目の疲れに対して効果が期待されるツボです。
ここを刺激することで頭部の緊張が和らぎ、目の疲労感が軽減されるとされています。
【攅竹穴】
両眼の内眼角にある攅竹も眼の疲れに対するツボとして知られています。
眼球の周囲の筋肉の緊張をほぐし、目の疲れを和らげる効果が期待されます。
【睛明】
両眼の中心に位置する睛明は、目の疲れや充血に対して効果があるとされています。
眼球の疲労感を緩和し、目の血行を促進すると考えられています。
【足太陽膀胱経のツボ】
足太陽膀胱経に沿ったツボの刺激も眼精疲労の鍼灸治療で使用されることがあります。
足太陽膀胱経は目の周りを通る経絡であり、その調整が眼の疲労感に対して影響を与えると考えられています。
これらのツボを刺激することで、眼球周囲の筋肉の緊張が和らぎ、全身のエネルギーのバランスが整い、眼精疲労の症状が改善されるとされています。