片頭痛になるのはなんで?
片頭痛の原因はまだ完全には解明されていませんが、神経の異常活動、血管の変化、遺伝的要因、環境要因などが関与していると考えられています。
【神経の異常活動】
片頭痛発作の開始時に、脳の神経細胞で異常な活動が起こります。
これにより、血管の拡張や神経伝達物質の放出が生じ、頭痛が発生します。
【血管の変化】
片頭痛の発作中、一部の脳血管が一時的に拡張し、その後収縮することが観察されます。
この変化が頭痛の一因となります。また、血流の変化が神経に影響を与える可能性もあります。
【遺伝的要因】
片頭痛は家族に遺伝する傾向があります。
遺伝的な要因が片頭痛の発症に寄与しているとされ、特定の遺伝子が関与している可能性があります。
【環境要因】
片頭痛は環境の変化にも影響されることがあります。
ストレス、不規則な食事、睡眠不足、特定の食品や飲み物、気象の変化などが片頭痛の発症を引き起こす可能性があります。
【神経伝達物質の変化】
片頭痛発作時には、セロトニンやカルシウムなどの神経伝達物質の変化が関与していると考えられています。
これが神経興奮や血管の拡張・収縮に影響を与え、頭痛を引き起こす可能性があります。
片頭痛の特徴的な症状
片頭痛は、激しい頭痛を伴う神経系の障害で、特有の症状がいくつかあります。
ただし、すべての片頭痛患者が同じ症状を経験するわけではなく、症状の種類と程度は個人差があります。
【激しい頭痛】
片頭痛の最も特徴的な症状は、激しい頭痛です。
通常、片頭痛は一方の頭部に局在し、鈍痛から激しい激痛までさまざまな程度があります。
一般に、身体活動が頭痛を悪化させることがあります。
【光過敏症(光が避けられない状況で光を感じることが苦痛)】
光過敏症は、明るい光に対して過敏に反応し、頭痛を引き起こすことがあります。
患者は部屋を暗くしたり、サングラスをかけたりすることがあります。
【音過敏症(音に敏感に反応する状態)】
片頭痛の発作中には、騒音や音に対して敏感になることがあります。
静かな場所が好まれることがあります。
【吐き気や嘔吐】
片頭痛の発作には吐き気や嘔吐の症状が伴うことがあります。
これは発作の重症度に関連していることがあります。
【視覚異常(オーラ)】
一部の患者は片頭痛発作の前に視覚異常(オーラ)を経験します。
これには閃光、点滅、視界の歪みが含まれ、発作後に頭痛が始まります。
【言葉の障害】
片頭痛発作中には、言葉に関する障害が発生することがあります。
言葉を正確に言えなかったり、言葉を理解することが難しくなることがあります。
片頭痛の東洋医学的な診方
【気の乱れ】
中医学では、「気」が体内を巡り、生命のエネルギーを表すとされています。
片頭痛が発生する際には、気の流れが乱れ、気の滞りや不足が生じることが考えられます。
気が頭部に適切に流れず、エネルギーの滞りが片頭痛の原因となると捉えられます。
【血の乱れ】
中医学では、「血」が栄養や酸素を運搬する役割を果たし、気と共に体内を巡っています。
片頭痛の病態では、血の流れが滞ったり、血の質や量に問題が生じたりすることが考えられます。
【陰陽の不均衡】
中医学では、「陰陽」の概念が重要であり、陰陽のバランスが崩れることが病気の原因とされます。
片頭痛が発生する際には、陰陽のバランスが不均衡になることが影響しているとされます。
【五臓六腑の関与】
中医学では五臓六腑(心・肺・脾・肝・腎、胃・腸)が体の機能を担当しており、これらの臓腑の不調が片頭痛に影響を与えると考えられます。
特に肝臓や脾臓の機能不全が片頭痛の発生と関連することがあるとされます。
治療としては、鍼灸、漢方薬、食事療法、気功、運動、ストレス管理などが中医学的なアプローチとして採用されることがあります。
当院での片頭痛に対する鍼灸治療
【自律神経の調整】
当院では、第一に鍼灸治療を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。
自律神経の乱れにより筋肉の緊張しやすさや血流の低下、神経過敏など片頭痛のを引き起こす要因にも影響が出ている可能性があるからです。
施術をする前に自律神経測定器を用いてその時の自律神経の状態を把握してから施術に活かしていきます。
そうすることで個々に合わせた治療プランを立て、個別性を考慮した施術ができて、他にはない施術効果が期待できます。
【局所刺激と血流の促進】
特定の筋肉や筋膜に鍼を刺すことで、局所の血流が増加し、酸素や栄養の供給が向上します。
これにより、筋肉の緊張がほぐれ、筋肉の状態が改善されることが期待されます。
【トリガーポイント療法】
トリガーポイントは特定の筋肉の硬直した部位で、これに鍼を刺激して筋肉の緊張を緩和するアプローチです。
頭痛が特定の筋肉の緊張に起因している場合、これらのポイントに焦点を当てて治療が行われることがあります。
【気の調整】
鍼灸治療では、経絡やツボを刺激して気の流れを調整することが重要視されます。
片頭痛が気の不調和に起因すると考えられる場合、適切なツボに鍼を刺すことで気の流れを整え、体内のエネルギーのバランスを回復させることが期待されます。
【血液の活性化】
鍼灸は血行を促進する効果があるとされています。
片頭痛の発作中において、血液の流れが滞っていると考えられる場合、適切なツボに鍼を刺すことで血液の活性化を促進し、頭痛の緩和が期待されます。
【陰陽の調和】
鍼灸は陰陽のバランスを調整する働きがあるとされています。
片頭痛が陰陽の不均衡に起因すると考えられる場合、鍼灸を用いて陰陽のバランスを整え、頭痛を和らげることが期待されます。
【神経伝達物質の調整】
鍼灸は神経系の活性を調整する作用があるとされています。
片頭痛において神経伝達物質の異常が関与していると考えられる場合、鍼灸が神経のバランスを整え、症状の軽減に寄与することが期待されます。
片頭痛持ちの方が自身でできるセルフケアや対処法
れらの方法は個々の状態によって異なるため、具体的なアプローチは医師の指示に基づいて行うことも重要です。
【規則的な生活リズムの確立】
睡眠、食事、運動などの生活リズムを整えることが大切です。
不規則な生活は片頭痛のトリガーとなることがあります。
【十分な睡眠の確保】
十分な質の良い睡眠を確保することが大切です。
不足した睡眠は片頭痛を引き起こす要因になります。
【ストレス管理】
ストレスが片頭痛の原因となることがあります。
リラックス法、深呼吸、瞑想などを取り入れ、ストレスを軽減することが重要です。
【適切な水分補給】
脱水は片頭痛のトリガーになることがあります。
適切な水分補給を心がけましょうが、医師の指示に従い過剰に水分を摂取しないよう注意してください。
【定期的な運動】
医師の指導に基づいて定期的な軽い運動を行うことが、片頭痛の発作を軽減するのに役立つことがあります。
【食事の見直し】
特定の食品や飲み物が片頭痛を引き起こすことがあるため、トリガーとなるものを避けるように心がけましょう。
また、規則正しい食事を心がけます。
【冷却または温熱療法】
頭部に冷却パッドや温熱パッドを当てることで、一部の患者にとっては片頭痛の軽減が期待されることがあります。
【避けるべき刺激物の特定】
個々の患者にとって特定の刺激物が片頭痛を引き起こすことがあります。
トリガーとなる要因を特定し、可能な限り避けるようにしましょう。