自律神経って…?
自律神経は…
自分の意志や制御を意識的に行わなくても、体の機能を自動的に調整し、内臓器官や体液のバランスを維持する神経系の一部です。
これらの神経系は連携して働き、体内のさまざまな機能をバランス良く調整しています。
例えば、心臓の動き、呼吸、血圧、消化、代謝などが含まれます。
自律神経のバランスが崩れると、さまざまな健康問題が発生する可能性があります。
この神経系は、主に交感神経と副交感神経の2つの部分から構成されています。
交感神経
・ストレスや興奮などの状態で活動が増すことがあります。
・心拍数の増加、気管支の拡張、血圧の上昇など、
活動的な状態に適応するような反応を引き起こします。
・"Fight or Flight"(戦うか逃げるか)応答とも関連しており、
緊急時に体を準備し、エネルギーを提供します。
副交感神経
・リラックスや休息の状態で活動が増すことがあります。
・心拍数の減少、消化器官の活動の増加、体の修復と再生に寄与します。
・"Rest and Digest"(休息と消化)応答とも関連しており、
食事を摂るときや寝るときなど、体をリラックスさせる役割があります。
自律神経と免疫力の関係
自律神経と免疫力とは深い関係にあると言われます。
精神・肉体的ストレスなどにより自律神経のバランスに乱れが生じると免疫力が低下してしまい、外部からはウィルスや細菌が容易に侵入し易くなる、内部ではがん細胞も増えやすくなるとも言われます。
体には、生まれた時から備わっている自然免疫と、病気に対する新しい抵抗力を身につけていく獲得免疫があります。
それらの働きにより細菌やウィルスは容易に体内に侵入して悪さをすることができない仕組みとなっています。
しかし外敵がそれらの免疫を突破して体内に侵入してしまうと悪さをしようします。
その時、体では白血球は侵入してきた外敵やウィルス、がん細胞などを退治する機能が働きます。
正常に免疫を働かせて免疫力の高い状態を維持するためには白血球が重要です。
この白血球の比率を調整するのが自律神経の役割とも言われているため、自律神経の乱れによる自律神経の不調は免疫力にも影響を与えてしまうのです。
自律神経が乱れる…
自律神経が乱れるとどんな症状が出る?
自律神経の乱れが生じると、さまざまな身体的および精神的な弊害が現れる可能性があります。
自律神経のバランスが崩れた場合に起こりうるいくつかの症状には、例えば以下のようなものがあります。
【不安やストレス感の増加】
交感神経の過剰な刺激により、不安感やストレス感が増加することがあります。
【心拍数の変動】
交感神経と副交感神経の不均衡により、心拍数が不規則になることがあります。
これにより、動悸感や不快感が生じることがあります。
【血圧の変動】
自律神経の異常は、血圧の変動を引き起こすことがあり、めまいやふらつきの症状が現れることがあります。
【消化器官の不調】
副交感神経の低下により、消化器官の動きが鈍くなり、胃腸の不調や消化不良が起こることがあります。
【睡眠障害】
自律神経の乱れは、入眠困難や中途覚醒、睡眠の浅さなどの睡眠障害を引き起こす可能性があります。
【免疫機能の低下】
長期にわたる自律神経の不調は、免疫機能の低下につながる可能性があり、感染症への抵抗力が弱まることがあります。
【体温の調節の問題】
自律神経のバランスの崩れは、体温の調節に影響を与え、寒さや暑さへの適応が難しくなることがあります。
【集中力や認知機能の低下】
自律神経の異常は、脳の血流や酸素供給に影響を与えることがあり、集中力や認知機能の低下を引き起こすことがあります。
自律神経が乱れる原因って?
自律神経が乱れる原因はさまざまで、個人や状況によって異なります。
以下は、一般的な自律神経の乱れの原因のいくつかです。
【ストレス】
長期間にわたる慢性的なストレスは、交感神経の活動を増加させ、副交感神経の働きを抑制する可能性があります。
これにより、体は「常に戦う準備ができている」状態になり、自律神経のバランスが崩れることがあります。
【不規則な生活習慣】
不規則な食事、不足した睡眠、過度のカフェインやアルコールの摂取などが、自律神経に影響を与える可能性があります。
【心身の疲労】
長時間の作業や疲れが蓄積すると、自律神経の調整がうまくいかなくなることがあります。
【病気や感染症】
特に慢性的な病気や感染症は、体全体のバランスを乱し、自律神経にも影響を及ぼすことがあります。
【過度な運動】
過度な運動は交感神経を刺激し、一時的にはバランスを崩すことがあります。
適切な休息とリカバリーが必要です。
【神経系の疾患】
特定の神経系の疾患や障害も自律神経の乱れを引き起こす可能性があります。
【遺伝的な要因】
個人の体質や遺伝的な傾向によって、自律神経のバランスが影響を受けることがあります。
自律神経失調症にならないために何ができる?
自律神経のバランスを整え、自律神経失調を予防するためには、健康的な生活習慣やリラックス法を取り入れることが役立ちます。
以下は、自宅でできるセルフケアのアイデアです
【規則正しい生活習慣】
定期的な食事や規則正しい睡眠を心がけましょう。
食事はバランスの取れたものを摂り、寝る前にはリラックスできる環境を作ることが重要です。
【深呼吸や瞑想】
深呼吸や瞑想は副交感神経を刺激し、リラックス効果があります。
毎日数分間、深呼吸や瞑想を取り入れてみましょう。
【軽い運動】
適度な運動はストレスを軽減し、交感神経と副交感神経のバランスを整えるのに役立ちます。
ウォーキングやヨガなどが適しています。
【ストレス管理】
ストレスを軽減するために、趣味やリラックスできる活動に時間を割くことが大切です。
定期的にストレス発散を心がけましょう。
【ハーブティーの摂取】
カモミールやラベンダーなどのハーブティーは、リラックス効果があります。
特に寝る前に飲むと良いでしょう。
【温熱療法】
お風呂や温泉で体を温めることは、リラックス効果があります。
温熱療法は副交感神経の活性化に寄与します。
【カフェインやアルコールの摂取の抑制】
過剰なカフェインやアルコールの摂取は、自律神経に影響を与える可能性があるため、適度な摂取に留めましょう。
【良質な睡眠】
快適な寝具や静かな寝室で十分な睡眠を確保することは、自律神経の調整に役立ちます。
自律神経調整の当院での鍼灸治療
当院では、第一に鍼灸治療を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。
施術をする前に自律神経測定器を用いてその時の自律神経の状態を把握してから施術に活かしていきます。
そうすることで、患者さんそれぞれのお身体の状態を的確に把握でき、施術に活かしていくことができるからです。
東洋医学における鍼灸治療は、体内のエネルギーの流れを調整し、バランスを取ることを目的としています。
自律神経失調症に対する鍼灸治療は、経絡やツボと呼ばれる特定の部位に鍼を刺すことで、神経系や内臓器官の機能を調整し、バランスを取ることを目指します。
【気の循環とバランス】
東洋医学では、「気」が体内を巡り、健康を維持する重要なエネルギーであると考えられています。
鍼灸治療では、気の流れが滞ったり不足したりしている状態を改善し、体内のバランスを回復することが目指されます。
【経絡の調整】
東洋医学においては、特定の経絡(経絡は気の流れる経路)が体内を通っており、それぞれの経絡が特定の臓器や組織と関連しています。
特定の経絡やツボを刺激することで、その経絡に沿ったエネルギーの流れを調整し、対応する臓器や組織の機能を改善しようとします。
【陰陽の調和】
東洋医学の基本概念である「陰陽」は、相反するものが相互に補完し合って調和するという理論です。
鍼灸治療では、体内の陰陽のバランスを取り戻すことが目標であり、不均衡が自律神経の乱れにつながると考えられています。
【ツボの刺激】
鍼灸師は、特定のツボに鍼を刺し、それによってエネルギーの流れや血液の循環を調整します。
これにより、自律神経の活動や内臓器官の機能に影響を与え、バランスを回復させることが期待されます。