食いしばりとは?
歯ぎしり・食いしばりは、上と下の歯をぎりぎりと強くこすり合わせるような動きや、
ぎゅっと強く嚙み締める悪習慣のことをいいます。
この癖は無意識に行われているため、就寝中に本人が気づかずしていることが多いです。
通常、上下の顎がリラックスしている状態であれば歯は当たっていません。
これは、安静空隙(あんせいくうへき)といって、個人差はありますが上下の歯と歯の間に2ミリ程度のスペースがあります。
しかし、食いしばりや歯ぎしりをする方は、口の周囲の筋肉が常に緊張しており、このスペースがほとんど見られない場合もあります。
原因
①ストレス
歯ぎしりのおもな原因は、強いストレスによるものといわれています。
ストレスは、日常生活で起こるさまざまな変化が原因です。
寝ている間に歯ぎしりや食いしばりをすることで、ストレスや不安を無意識のうちに解消していると考えられています。
②歯並び
歯並びが悪いと上下の歯のかみ合わせが悪くなるため、歯ぎしりが起こりやすくなります。
歯をかみ合わせたときに、一部の歯が強く当たっていたり、歯の詰め物や被せ物の高さが合っていなかったりすると、かみ合わせが安定しないため、歯ぎしりの原因となることがあります。
③集中している時間が長い
人は何かに集中するあまり、歯を食いしばることがあります。
歯を食いしばることで、集中力が増し力を発揮しようとするからです。
運動や肉体労働だけでなく、何かほかのことに夢中になっているときも、集中力をあげるために無意識のうちに歯を食いしばっていることがあります。
対処法
①マッサージ
「かむ」動作は、食事を食べるときに必要な動作です。
歯ぎしりや食いしばりをすると、かむ動作に関係する
咬筋(こうきん)や側頭筋(そくとうきん)
などの筋肉に、強い負担がかかり炎症が起こります。
この筋肉に炎症がおきると、頭痛や肩こりなどの身体の不調を引き起こす原因となります。
咬筋は、歯をギュッと食いしばったときに、下顎の外側で硬くなる筋肉で、食いしばったときに膨らむ部分です。
側頭筋は、耳の上のあたりにある筋肉で、下顎の骨にくっついており、かむときや顎を後方に引くときに使う筋肉です。
こめかみのあたりに触れてギュッと食いしばると、ポコッと膨らむのが分かるのではないでしょうか。
歯ぎしりや食いしばりによって、こわばった筋肉をマッサージすることで、筋肉が緩んでいき痛みを軽減する効果が期待できます。
②マウスピース
マウスピースは、ナイトガードとも呼ばれており、寝ているときに歯に装着する装置です。
寝ている間に、歯に装着することでかみ合わせが高くなるため、歯ぎしり・食いしばりから歯や顎の関節を守ってくれます。
治療は、この方法が一般的な治療法になります。
③鍼灸治療
食いしばりによる顎の痛みには、鍼灸治療がお勧めです。
痛みが出やすい咬筋や側頭筋に直接鍼を刺し、硬くなっている筋肉を柔らかくしていきます。
鍼灸治療が効果的な点として2つあります。
1つ目は、鎮痛効果です。
鍼灸治療が得意とするのが、『痛みの緩和』です。
鍼をすると脳の中に、エンドルフィンやエンケファリン
などのオピオイドという物質が増えます。
鍼やお灸をした局所の痛みをとるだけでなく、鍼や灸の刺激が脳に作用して全身の痛みを軽減します。
2つ目は、血流改善です。
鍼灸治療は、刺激した周囲の血管を拡張させ血流改善を促す効果があります。
痛みやコリの原因は多々ありますが、血流を改善することで軽減することもあります。
血流が上がることで体温が上がり免疫力の向上も期待できます。
鍼をしたところに電気を流すことも可能なので
鎮痛効果や血流改善にさらに効果が期待できます。
顎の痛み、食いしばりでお悩みの方で
鍼灸治療を試していない方はぜひ受けてみてください。