足のむくみって…

足のむくみは、足や足首周辺の組織に余分な液体（浮腫液）がたまり、それが組織に蓄積している状態を指します。

足のむくみが起こる原因

【血液循環の問題】
静脈弁の不全や深部静脈血栓症（DVT）など、血液が適切に心臓から体の末端に流れない場合、むくみが発生します。

【リンパ液の循環の問題】
リンパ浮腫と呼ばれる状態では、リンパ液の排出が阻害され、組織に液体がたまります。

【重力の影響】
一日中立ちっぱなしの職業や、長時間座りっぱなしの生活習慣によって、足の下半分に液体がたまりやすくなります。

例えば…
・冷えによる循環低下
・筋ポンプの低下

【妊娠】
妊娠中にはホルモンの変化や子宮の圧迫により、足のむくみがよく見られます。

【慢性炎症】
慢性的な炎症や疾患（例：関節リウマチ）によって、炎症部位に血液と浸透圧が影響され、むくみが生じることがあります。

筋ポンプ低下によるむくみとは…

【筋ポンプの役割】
筋ポンプは、特に下肢（足とふくらはぎの筋肉）で活発に機能します。
筋肉が収縮すると、周囲の血管やリンパ管に圧力がかかり、血液やリンパ液が上に向かって押し出されます。
筋肉が弛緩すると、これらの管は拡張し、液体が流れるのを助けます。

【筋肉の不活発】
運動不足、座りっぱなしの生活、または長時間立ちっぱなしの姿勢にある場合、足の筋肉が不活発になり、筋ポンプの機能が低下します。
これにより、血液やリンパ液の循環が阻害され、足の組織に余分な液体がたまり、むくみが発生する傾向が高まります。

【重力の影響】
重力は、特に下半身において液体が体の下部にたまりやすくする要因です。
筋ポンプの不活発な状態と組み合わさると、液体が足や足首にたまりやすくなります。

筋ポンプの低下によるむくみは、特に座りっぱなしの仕事をしている人や長時間の飛行機や車の旅行中によく見られます。
この場合、定期的な筋肉の収縮と弛緩を促すために、足首を回したり、足を上下に動かしたりするエクササイズが有効であり、むくみの予防に役立ちます。また、適切な運動やウォーキング、リラックスした姿勢の確保なども筋ポンプの働きを改善し、むくみを軽減するのに役立つ方法です。

むくみに効果的な鍼灸治療

【血液循環の促進】
鍼灸によって特定の経絡やツボに鍼を刺すことで、血流が改善されます。
血液が順調に循環することで、組織に溜まった余分な液体や老廃物の排除が促進され、むくみの軽減が期待できます。

【筋肉の緊張緩和】
鍼灸によって特定のツボや筋肉に刺激を与え、筋肉の緊張を緩和します。
筋肉がリラックスすることで、筋ポンプの効果的な動作がサポートされ、血液とリンパ液の流れが改善します。

【リンパ液の流れの促進】
鍼灸はリンパ液の流れを刺激し、余分な液体や老廃物の排除を助けます。
リンパ液の流れが滞ることによる浮腫の軽減に寄与します。

【経絡調整】
東洋医学では、経絡と呼ばれるエネルギーの流れを調整することが健康に重要と考えられています。
特定の経絡やツボに刺激を加えることで、エネルギーのバランスが取れ、むくみの改善に寄与するとされています。

【ストレス軽減】
ストレスや緊張が筋肉の緊張や血管の収縮を引き起こすことがあります。
鍼灸はリラクゼーション効果をもたらし、筋肉の緊張やストレスを軽減するのに役立ちます。

下肢のむくみの東洋医学的診方

【気・血の滞り】
東洋医学では、体内の気（エネルギー）と血（栄養物質）の流れが滞ることがむくみの原因とされています。
特定の経絡（エネルギーの通り道）が詰まりやすく、気や血の流れが阻害されると、組織に余分な水分がたまりやすくなります。

【腎気の不調和】
東洋医学では、腎は水の代謝と調節に関連し、体液のバランスを維持する重要な臓器とされています。
腎気（腎のエネルギー）の不調和がある場合、水分代謝が乱れ、むくみが発生することがあります。

【脾虚】
脾臓は東洋医学において水液の代謝を調節する重要な臓器で、脾虚は脾臓の機能低下を指します。
脾虚の状態では、体液の調節がうまくいかず、組織に水分がたまりやすくなります。

【湿邪の侵入】
東洋医学では、湿邪と呼ばれる外部の悪影響が体内に侵入し、組織内に湿気を蓄積させることがあります。
湿邪によるむくみは、悪天候や湿度の高い環境で発生しやすいことがあります。

【阻血】
東洋医学では、経絡やツボにおけるエネルギーの滞りや、血の循環の障害がむくみを引き起こす原因とされています。