気管支喘息と自律神経の関係
気管支喘息と自律神経には深い関連性がありますが、その関係は複雑です。
自律神経は、体内の機能を調節し、特に交感神経と副交感神経のバランスが重要です。
気管支喘息の症状は、この自律神経系のバランスの崩れが影響することがあります。
自律神経のバランス
自律神経系は、交感神経と副交感神経という2つの要素から成り立っています。
①交感神経
「戦闘または逃走モード」を活性化し、心拍数を上げ、気道を広げ、体のエネルギーを放出します。
②副交感神経
「休息と修復モード」を促す神経系であり、体をリラックスさせ、エネルギーの節約に関与します。
副交感神経の刺激により、心拍数が低下し、気道が収縮し、消化が促進されます。
また、副交感神経は炎症を抑制し、免疫系を調整する役割もあります。
気管支喘息の症状と自律神経
喘息は気道の炎症に伴う気道の収縮や痙攣により、呼吸困難、咳、喘鳴などの症状が現れます。
喘息の症状は通常、気道の炎症によって引き起こされますが。
交感神経は気管を拡張させて、副交感神経は気管を収縮させます。
副交感神経が強く働くと気道が狭くなるということです。
夜間は副交感神経が優位になるため、気道が狭くなり、喘息発作が起こりやすくなります。
自律神経の調整
自律神経のバランスが崩れると、気管支喘息の発作が誘発される可能性があります。
ストレス、感情的な刺激、運動、環境要因などが、自律神経の不均衡を引き起こすことがあります。
一部の気管支喘息患者は、特にストレスに対して過敏に反応する傾向があります。
自律神経の調整によるセルフケア
【ストレスを溜めない】
ストレスにより自律神経の乱れなど、体の機能を調節する体内物質のバランスがくずれると、喘息が悪化しやすくなります。
休養をとってストレスをあまりためこまないように工夫しましょう。
【十分な睡眠をとる】
睡眠不足により疲労がたまると、風邪を引きやすくなったり、アレルゲンに対してより敏感になったりします。
喘息の東洋医学的診方
気管支喘息の東洋医学的なアプローチでは、気の滞りや不調和を解消し、体内の気の流れを改善することが重要視されます。
鍼灸療法、漢方薬、食事療法、運動、リラクセーション技法などが用いられ、個々の症状や体質に合わせて治療します。
【気の滞りと熱】
東洋医学では、気は体内を巡るエネルギーとして考えられ、気の滞りが病気の原因とされます。
気管支喘息の症状は、気の流れが滞り、気道が狭くなることに関連していると考えられます。
また、気管支喘息の発作時には気道が炎症を起こし、熱が生じることもあります。
【気の不調和】
体内の気のバランスが崩れると、気管の収縮や痙攣が起こり、気道が狭まります。
これにより、呼吸が困難になり、咳や喘鳴が生じることがあります。
【肺の役割】
東洋医学では、肺は気の重要な貯蔵庫であり、気の適切な循環に関与しています。
気管支喘息の病態においては、肺の機能が低下し、気の流れが滞りがちとされています。
【寒湿侵入】
東洋医学では、寒湿侵入が体内に寒気をもたらし、気道の収縮を引き起こす可能性があるとされています。
特に寒冷な気候や冷たい食品の摂取が気管支喘息の発作を誘発することがあります。
喘息の効果的な鍼灸治療方法
喘息と自律神経系には関連性があり、自律神経の不調和が喘息の症状を悪化させることがあります。
鍼灸治療は、自律神経のバランスを調整し、喘息の症状緩和に作用します。
【自律神経の調整】
鍼灸治療で、交感神経と副交感神経のバランスを調整します。
喘息は副交感神経の過剰な活性化が気道の収縮を引き起こすことがあります。
自律神経を調整することで、体をリラックスさせ、気道の拡張を促進することができます。
当院では、第一に鍼灸治療を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。
施術をする前に自律神経測定器を用いてその時の自律神経の状態を把握してから施術に活かしていきます。
そうすることで的確な施術ができて、他にはない施術効果が期待できます。
【全身のバランス調整】
喘息は体内のエネルギーの不均衡に関連しているとされ、全身のバランスを整えることが重要です。
全身のツボや経絡を刺激して、気と血の流れを改善し、免疫系を調整することが治療の一環として考慮されます。
【肺の機能向上】
喘息による肺の炎症や気道の収縮を緩和するために、『肺経』や『脾経』などの経絡を刺激し、肺の機能を向上させる鍼灸治療が行います。
これにより、喘息の発作の頻度や重症度が軽減されることが期待されます。
【ストレス管理】
ストレスは自律神経の不調和を引き起こす要因の一つであり、喘息の発作を誘発する可能性があります。
鍼灸治療はリラクセーションを促進し、ストレスの軽減を図っていきます。
『心経』や『心包経』などを刺激して感情のバランスを整えるアプローチをすることもあります。
【アレルギー管理】
アレルギーが喘息の原因である場合、アレルギー症状を緩和し、自律神経の過敏な反応を軽減するために特定の鍼灸治療が行うことがあります。
